花はコンビニに寄らなければヨカッタ

 たまにある暗〜いお話しなのですよ。

ですのでお読みになられなくても良いのですよ。

ただ、書けば気持ちが楽になることも世の中には有るのかな、と。


 恋愛って

 温かい気持ちをくれてありがとう

 とか

 成長させてくれてありがとう

 とか


 そんな事より

 どう別れたか

 どうフラレたか


 の方が印象に深く刻まれると思うのですよ。


 人づてに二回くらい引っ越ししたって聞いて、もう会うことも無いかなと思っていたのですよ。

偶然でも何でも。


花は最近転職しましたのですよ。

生活圏が広くなったです。


会社の近くのコンビニに休憩がてら寄りましたよ。

たまに使うようになったコンビニなのです。

最寄りではないけれど、外を回った時にちょうど良い立地なのですよ。


何だかずっと見ている人おるやんな

と思ったです。

気になって花も見ましたのです。

この時、目が合っていたら何か違ったのかな。

とも思いますです。


店内で商品を選んでいる時も、左右のレジに並んでもお互いに知らないフリでしたよ。


 あぁ、そういえば今日はあの人の会社の定休日か

 

 とか

 

 花はコロコロ髪型も髪色も変わって見た目が随分

 違うのに、あの人は何にも変わって無いな

 

 とか


そんな事を考えながらも、面接やプレゼンの直前の様に花の心臓は小刻みに震えてましたです。

ラフメイカーじょうだーんじゃないっ!

(分かる人しかわからんですねw)


花が先にお店を出て社用車に乗り込みましたよ。

スマホをいじって気付かないフリを続けました。

あの人もお店から出てきましたのです。

少しだけ、ほんの少しだけ立ち止まってから歩いて消えて行きました。


 花はせめて


 「どう?元気にしてる?」

 って聞いて欲しかったです。


 そうしたら


 「めっちゃ元気だよ!夢に向かって一生懸命お金

 貯めてるよ!」


 って言いたかったです。


 花が婚約破棄されたあの人に。


 あの人が転職をした時に、嫌な想像が頭をよぎらなかった訳では無いです。


 その人とばっかりご飯に行ってるな

 

 とか


 さすがに帰りが遅すぎるな

 

 とか

 

 やらなかったはずのゲームをやり始めたな

 

 とか


 月が綺麗らしいから見てくるね

 

 とか

 

 知り合いのカメラマンの方の宣伝用に頼まれていたウェディングフォトのモデルを、コロナが不安だから断わっておいたよ

 

 とか


 もう、違和感しか無かったです。


 花はアホタレでバカだけど、そこまでバカじゃ無いよ?


 あの人が言ったのですよ


 「好きな人が出来たから別れて欲しい」


 花は沢山考えましたよ

 足りない頭でうんしょうんしょ


 「あなたが一番笑顔で居れる道を歩いてね」


 花はそう思えたし

 花はそう言えました

 花は受け入れられたし

 花は見送れました


 「怒っても良いんだよ?」


 花は在ったかも知れない未来を夢想しました

 泣き笑いで答えました


 「ううん、怒らないよ。ただ残念なだけだよ」


きっとこの気持ちも花。

良く在りたいと願う花。


でもそりゃ悲しいですよ。

寂しいですよ。


 ただ、一番辛かったのは


「あぁ、この人にとっても花は要らない子なんだな」


 と言う事。


信じると決めたから。

花が勝手に信じると決めただけだから。

裏切られたとかそうゆう感情は無くて。

ただ痛いのが花の心を虐めるから。

それに耐えるのに使うカロリーばかり消費して。

気が付けば時間だけは過ぎて行って。





花は言います。


もう十分苦しんだでしょう?

もう十分自分の心を虐めたでしょう?

もうその痛みは乗り越えたでしょう、花。


それなのに、たったこれだけの出来事が。

コンビニであの人を見かけただけの事が。

花の心をこんなにも乱すのです。

心をこんなにも曇らせるのです。


体面も何も気にしなくて良いのなら


無意識に花を重ねて、比べて、何事も無かったフリをしながら

どちらにも罪悪感を感じて欲しい

花を傷つけた事をちゃんと背負える人で在って欲しい


でも花は知っているのですよ。

あの人はきっともう花の事なんか思い出しもしないのでしょう。

あれもこれも無かったかの様に、花の事など気付かない内に少しずつ忘れて行くのでしょう。


花さ〜ん〜は


もう恋愛は〜


い〜や〜い〜や〜よ~


しんどいこと〜が多すぎて〜


い〜や〜い〜や〜よ~


なのでぃす。


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