花は言い訳したい
花はお話しを書くために構想をねりねりします。
頭の中でねりねり。
ノートを開いてはペンをクルクル。
頭の中でねりねり。
スマホを起動しては漫画を読む読む。
つまり頭の中でしか構想をねりねりしないのです。
そんな花にはいくつか書きたいお話しが決まっています。
それらは時間を掛けてゆっくり丁寧に書こうと決めているので、投稿するのはいったいいつになるのか分かったものではありません。
まぁそれは良いのです。
何事だってそれなりに時間が掛かるものなのですよ。
しかーしそんな呑気な事を言っていると、脳内で鼻提灯を膨らましている花の存在を認知して下さってる方々が、その頃には花の事を忘れてしまっている。
それは悲しい。
泣いてしまうかもしれない。
そこで花はひらめきました。
「閑話休題を作ればいいじゃないの~」
花のくせに「閑話休題」なんてよく知ってるな、と思われるかもしれませんね。
花だってそれなりには知識があるのですよ。
嘘です。
「閑話」は語感から何となく想像がつきますが「休題」って何ですか?
むつかしい。
ググれって感じですよね。
でもググりません。それが花です。
そして考えた末に投稿をしたのが
「小野上くん観察ノート」
です。
これなら片手間に書けるかもしれない。
メインの書きたいお話しを書きながら「花の事忘れないでね!」アピールが出来るぞ、と。
花はむふふとしました。
グルングルン回るコインランドリーの乾燥機を眺めながら、ざっとお話しの締め方を決めました。
乾燥が終わるまでまだまだ時間があります。
花はシュバババババッ
トリャトリャアチョー
と数話分書きました。
予約投稿もしました。
数日後、さてと続きでも書こうではないか。
どれどれはいはい、とページを開きます。
ぼんやり考えていた時系列通りのタイトルを入力しました。
カーソルを移動します。
花は思いました
「おい…なんだと…」
あかん何だコレ。
まんじりとして指が動きません。
おかしいぞこんなはずでは…
花はホームボタンを押しました。
一旦距離を置けば見えるものもある、というものなのですよ。
後日、花は再びページを開きます。
あー、んなるほどなるほど。
はいはいはいはい。
花はこうしました
「えーいっぺーいっ」
そうです。
ぶん投げました。
西日の彼方へエンヤッサ!
もちろんキーエピソードは考えてありますよ。
そこへ向かう為の道程がアカンのや…
こんなんじゃボリュームも何もあらへんぺっらぺらのうすぅーいうすぅーいお話しなってまうやん…
「何がしたくて投稿したの?」
って思われてしまう。
焦る花。
埋まらぬ真っ白のページ。
作る炭酸。
点灯するカーソル。
入れる氷。
ブラックアウトする画面。
注ぐレモン酎ハイの素。
花はそれを一気に飲み干しました。
そして花は思いました
「よしっ言い訳をしよう!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます