二章。その5『入学式初日に生徒会長と付き合っことになった。』

あれ?

 おかしい。そもそもとして声も違かったし、そのついでに、会長挨拶と、最後の礼までもやり遂げた。そんな事が一人でもできるのか?

「花園先輩?一つ聞きたいんですけど。どうやったんですか?声とかその他も。」

 単純な疑問だ。それすらも察しがつかないのがあれだがまぁ聞こう。

「あぁ〜それですか。それはね、まぁ声は"こんなふうに "声を作りましたよ?あとはもう重労働でした。なんせ司会の人が急な風邪で休んでしまったものですから。他の役員も仕事がぱんぱんで私がやることになったんです。」

 花園先輩が、こんなふうに、のところで俺に一声惚れしてしまうほどの美声を出し、その他にも説明やらなんやらしてくれた。

 そうか、司会の人が病気、しかも役員残る仕事が多くて、私しかできなかった。それなら全てが繋がる。

「あぁ〜そうだったんですか。」

 色々聞いてもう今日は疲れてしまった。だから流すように答えてしまう。 

「ところで一番重要なこと、忘れてないですか?」

 一番重要なこと、それ即ち一番感動、喜び、びっくりしたこと。そしてこの会話内で一番驚いたこと、あの声の人が花園先輩だった事がでかいが、それよりも————告白のことだ。そういうことか、花園先輩が何が言いたいか分かった。告白をして振られた花園先輩。そこで誰が好きか、でその声の人と、話した。そしてその声の人が、花園先輩。つまり俺たちは両想い、ということになる。

「私と、付き合ってくれるよね?結城くん?」


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