怖い話、聞かせます
第0話 ホラー系配信者
動画投稿が盛んな現代。人々の電子端末には、何かしらの動画アプリが入っている。動画の再生回数で収入が入ったり、あるいは、単純に「いいね」が貰えたり。一昔前には意外とマイナーだった活動が、現在ではメジャーな行動になっていた。自身のチャンネルを持っている彼も同じ。彼は「ホラー系の動画投稿者」として、投稿サイトにその拠点を作っていた。
「と言うわけで、
正に生きるか死ぬかの問題です。同窓会の発起人もまだ、見つかっていないようですし。狛犬さんの幼馴染と、霊能者の方でしょうか? その二人が今も、件の発起人を捜しているようですがね。狛犬さんの話では、まだ見つかっていないようです。いやはや、マジで最悪ですよ。
彼等の立場になってみれば、本当に許せないですね。狛犬の幼馴染さんは、ネットでの拡散を躊躇ったようですが。狛犬さんは、それに躊躇わなかったようです。まあ、仮名なので大丈夫でしょうが。僕も、彼女の力になりたい。みなさんも、何かの情報を得た時には」
情報をお願いします。そう笑うチャンネル主の声は、どこか楽しそうだった。彼はチャンネルのコメント欄を読みはじめると、その内容に対して「僕も自分のチャンネルで、『今回の事を取り上げたい』と思うので」と微笑んだ。「このチャンネルは、主に心霊関連のお話を扱っています。リスナー様が味わった恐怖や、エピソードなど。未解決の事件に関しては」
何かしらの力になる。それが彼の主張だったが、実際はこう言う話題をただ取り上げるだけだった。自分のチャンネルが盛り上がれば、それで良い。青年の霊能者の事を裏切った発起人ではないが、彼もまた、そう言う類の人間だった。彼は今回の話題がそれなりに盛り上がったところで、本来の話に話題を移した。
「さて、次のお話は。おおっ、良いですね! こう言う話は、好きです。エレベーターの怖い話。こう言う話は大体、同じような物ですが。それでも、ワクワクしますね。あの密室で起こる怪異は、普通の怪異よりもずっと怖いです。正直、自分には起こって欲しくないですね。ホラーチャンネルの自分が言うのは、何ですが……。おっと! 無駄話が過ぎましたね。リスナーのみなさんも、『早く話せ』と言っていますし。それそろ、話した方が良いでしょう。それでは、聴いて下さい。背後の視線」
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