第7話 でっかい魚と巨大蜂
ここ、ゼネストポリスは未だうだるような暑さが続いています。
相変わらず川の氷水を一気に飲み込んだカインは、今日も警備のお仕事に勤しみないといけません。いつものように冷たいパックをピッピに入れて貰っていた時です。
「カインさんっ助けてくれろ!」
事務所のドアを開けて誰かが入り込んできた。
「この事務所に入り込んできちゃいけませんよ」
「すまねぇ…いてもたってもいられずよぉ…」
カインは冷たいパックで涼みながら、言った。
「で、なにがあったのです?」
「ワシは漁をしとる漁師なんじゃが、とんでもなく大きいマグロがとれたで、とりあえずカインさんにと思って」
「そんなにデカいんですか、そのマグロ」
「そりゃもう、初めて釣ったデカさですだ」
「とりあえず見てみましょう」
カインと漁師は漁場へと向かって行った。今日も日の光が眩しい。
と、もう一人の青年がかけてきた。
「大変ですよカインさん!!」
「はい?」
「巨大蜂の巣が通学路にあるんです!早く始末しないと危険です!」
急に2つの案件に見舞われたカインは目をグルグルさせていたが、
「競りを先にすませましょう。何より先に来た案件ですし、順番です」
中央広場に競り市場を緊急に作った。何人かが魚を抱えて持ってきた。
確かにこれは大きなマグロだ!始めは釣り上げようと思っていたのだが、こう大きいと釣り上げるのは無理と言えた。
住民が続々と集まってくる。どうやらそろそろ競りの始まりのようだ。
「皆!生涯上がるか分からない大マグロだよ!絶対お得な5000ウーロンから!」
住民はザワザワしだした。
「5000ウーロンは高すぎやせんかい?」
「さばきかたもわからないわよ…」
漁師は完全にやっちまった顔をしていた。住民はポツポツと帰って行った。カインは優しく労った。
「小さくコツコツと売れれば売れるさ」
「それが大変なんでさぁ…まあそうしやす」
さて今度は蜂の番だ。カインは汗をかきながらパタパタと事務所に戻っていく。そして全身網姿に着替え、脚立とナイフを持参して、蜂の元へと向かった。
見てみて驚いた。洒落にならないほど大きい蜂が巣を行き来しているのだ。いつの間にこんな巣ができていたのだろう。
脚立を立て、恐る恐る巣に近づいてゆく。もさもさキューブ3個分くらいある蜂が攻撃をしてくる。ゆっくり袋に巣を包んでから、接着面をナイフでゴリゴリ削ってゆく。ただでさえ暑いのに汗が流れて来る。何とか接着面がとれ、包んでおいた袋を締める。なんとか一件落着だ。
「さすがカインさんだ!」
「わーわー!」
「ではこれで」
カインは垂直歩行で事務所まで帰っていた。
ピッピがバタバタ降りて来た。
「もさもさキューブをシャーベット状にすることに成功したんですよ!すごくないですか~?」
「ピッピ君、今日はもう疲れたからもう寝る」
色々あったカインは、すぐさまベッドに入ると、秒で眠ってしまいました。
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