第4話
ーー ーー
私は今日、命を終える。
村で一番大きな建物。
立派な社。
その中で。
建物の中には、御神体である石が飾られていた。
神様の前につれてこられた私は、その場に膝をついた。
村の人達は、みな武器を手にしている。
それで、私の命をかりとるのだ。
私は静かにその時を受け入れる事にした。
けれど。
村の人達のざわめき。
彼がやってきたのだ。
武器を持った彼は、村の人達を蹴散らして私の手をひいて走った。
「君だけを愛してる」
他の人間なんてどうでもいい。
村なんでどうでもいい。
例えそれ以上の悲劇が起きたってかまわない。
彼は戻ろうとする私へそう述べた。
その原動力はいたって普通の感情。
好きな人とずっと一緒にいたい。
ただそれだけの思いが彼を動かしていたのだ。
私は何も答えず彼の手を握りだした。
「私も貴方だけを愛するわ」
いつまでもずっと一緒にいたい。
その思いは、私も同じだった。
たった今、同じになった。
ーー ーー
ずっと一緒にいよう 生贄 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます