第6話 入学式




やっとの思いで着いた体育館。数人の係員の人達が、「新入生はこちらに並んで下さーい」なんて声を上げている。



「僕たちのクラスはここみたいだね」

「ちょ、組長押さないで…」



ヒソヒソと話しながら待つ時間も悪くはないかもしれない。暫くすると、「入学式始まりまーす」なんて声が響いた。



「入学生、入場」










入学式は着々と進み、終盤に差し掛かろうとしていた。「学園長式辞」なんてアナウンスが聞こえた瞬間、「これ絶対長いやつだよね」「ねー」なんて声を出すクラスメイト達。



「………………………以上で式辞と致します。」



やっと終わった式辞。後は諸連絡を聞いて退場するだけ。ふっと心の緊張がほぐれた瞬間だった。



「諸連絡。新入生の皆さん入学おめでとうございます。1組の皆さんは明日からは講義が始まりますので準備をお願いします。それから……」



どうやら私達1組は明日から講義がスタートするらしい。1組の生徒は皆寮生のため、自己紹介やオリエンテーション、その他諸々は寮の学年交流ホールで行うらしい。個人部屋の他にも、食事を作るには申し分ない調理室やダイニング、小さな防音室や部屋。その他にも交流ホールや多目的ホールまで学年別に備わっている学園寮、恐るべし。芸術選択はどちらにするのか、部活の入部届けは、寮の部屋割りは…など、もしかすると学園長式辞より長かったかもしれない。ようやく解放された私達は、もう一度私達のいるべき教室へと戻った。






教室に戻ると、寮について追加で幾つかの説明をされた。


・基本は寮で一人部屋。寮内に売店があり、そこである程度の生活用品は揃うとのこと。

・食事は基本自分達で作ること。食材も売店で揃う為、心配はしなくても良いこと。(ダークマターが出来ようと美味しい料理を出してくれる大人は居ない)

・学年フロアは基本的に自由に使って良いとのこと。交流スペースなどは積極的に活用し、仲を深めて欲しいこと。


ある程度自由な規則で安心している。料理や洗濯などの一般的な家事は一通りできるしから心配も要らないし、学園外へも門限さえ守れば外出もOK。



学園生活については、諸連絡の通りらしい。


・講義は1日約5コマ。プラスで1コマ分の特別活動を実施で計6コマ。

・昼食はお弁当や購買など各々で。

・テストもしっかりあるので勉強に励むこと。


ざっくりとはこうだ。あくまでも生徒一人一人の自立を大切にしている校風だからか、基本大人の手が介入することは無いらしい。その為、講義が大切なのはもちろんだが、他の活動も大切にしている。



「ご飯どうしよう…」「売店覗きに行こうよ!」「お泊まり会とかもありだよね〜」「寮の部屋割りまだかな」など各々が反応を示す。今の時刻は午前11時を回ったところ。「お昼作らなきゃだなぁ」なんて呑気なことを考えながら寮の部屋割りが来るのを待った。




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寮の部屋はわたくしの気まぐれで決まります、悪しからず。大分ファンタジー。食堂を付けるか迷いましたが一緒にご飯作るエピソード書きたかったので皆さんの負担を馬鹿みたいに大きくしました()

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