第4話 おはよう




「りめ!待ってたよ!」

「こと、知らないうちにどこか行っちゃったからびっくりしたよぉ...」

「組長!!朝抱き着いてきたこと、まだ許してないから!」



沢山のクラスメイトがりめちゃんや琴さん、、クチナシさんに声を掛ける。




(みんな、どこかで関わりがあったのかな...)




どこか私が置いていかれる気がして戸惑っていると、優しそうな男性の声が聞こえた。




「おはよう、綺麗な青色の髪やね?」

「おはようございます、そう...ですかね...?」




黒髪に眼鏡、いかにも優男の雰囲気を感じさせる男性だ。



「うん、めっちゃ綺麗やん。

僕は煌光 玲、そこのりめあとクチナシと琴の友達。貴方は?」




礼儀正しい人だ...。

初対面の私にも、優しく接してくれる。



「時雨と申します。初めまして」

「よろしゅうな」

「はい...!」




出身は関西なのだろう。関西譲りのイントネーションにはどこか親しみやすさを感じる。




「ここのクラス、個性豊かなメンバーばっかやけど、みんないい子やから。同じ寮生でもあるし、すぐに仲良うなれると思うで」

「そうだと良いのですが...」




正直、かなり心配ではある。

周りには既に仲良しが形成されつつあるクラスメイト、私がお話できるのなんて、りめちゃんやクチナシさん、琴さん程度だ。尚且つこのクラスは完全寮制。2人から3人で1部屋の構成のため、少なからずグループが形成されてしまうだろう。




「心配、って顔しとるな笑」

「なっ!?」

「大丈夫、誰も取って食ったりせんよ。これから過ごすクラスメイト達やから、肩の力抜き?」




少し深呼吸して呼吸を整えると、肩の力が少し抜けた。




(有難うございます、煌光さん...)




そういえば、座席表を見ていなかったはず。




(黒板に貼ってあるはずだよね...)




黒板には1枚の紙。

・・・・時雨

私の席は、1番前列の廊下側から2番目。

右隣は暇人...さん...?というらしい。




女性の方か男性の方か分からないけれど、仲良くなりたいな。




(よし、頑張ろ)




席に移動する時、目が合った琴さんがニコッと天使の笑みをくれた。

くぅ...この子が生きがいになりそうだなぁ。




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