第3話 はじめましてのクラスメイト




ドアを開けた先に広がっていたのは、私たちの教室。やはり新築だからか若干木目の残る柱、カーテン等の小物も新しい。昔ながらの黒板には、今日の日付が書かれている。




「りめあ!おはよう!っと...その隣の人は...」

「おはよう組長!隣にいるのはしーちゃん!時雨さん...って言えばいいかな?」

「はじめまして、時雨です」




あ、この人!

校門でたぬさん...?に抱きついてた人だ。

黄色の髪とリボンにスカート、肩出しのブラウス。

頭には『口』と書いてある髪を目元にかかるようにつけている。組長さん...?は白髪の子と一緒にこちらへと駆け寄ってきた。




「時雨さんですね!おはようございます!」

「おはようございます、組長...さん...?」



組長さん、と呼んだところ組長さんの隣にいた白髪の子が爆笑した。猫耳パーカーに紫ボーダーのリボン。それより少し薄い色の半ズボン。髪色にも紫があしらわれている。



「時雨さん?だよね、この黄色のヤツの名前はクチナシっていうのっ!みんなからはクチナシ、とか組長とかで呼ばれてるよ〜!」

「クチナシさん!」

「あ、僕の名前は白羽琴!時雨さん、よろしくねぇ!」




琴さん、凄く人懐っこい子だ。私とは身長差があるからか見下ろす形にはなるため、上目遣いで私のことを見る。




(か、かわいい...)




ボーイッシュだけどどこかあどけなさを感じる笑顔だ。隣にいるクチナシさんも、「中入ろ!」とニコニコしながらりめちゃんの手を引いている。




「時雨さんも、中入ろ!」

「はい!」




りめちゃんはクチナシさん、私は琴さんに手を引かれながら足を踏み入れた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る