第2話 はじめまして



(流石新築、綺麗だな...)




この学校は少し特殊で、単位制の他にも特色が見られる。制服はある程度決められているが、アレンジは自由。私は胸元に黒い紐リボンを、そして髪色と同じ淡い水色のセーター。個人尊重の校風が濃く残る学校であるからか、装飾品も自由らしい。私は耳にドライフラワーのピアスを、髪に青いリボを結んだ。




(新入生の下駄箱は...)




やっと見つけた下駄箱には小さなマーク。これで個人を判断するらしい。私は水色の泡のマーク。

右隣にはサングラス、左隣にはたぬきのマーク。




(どこかで見たことあるな...どこだろう)




「っわっっ!!」

「わ、ごめんなさい!!」



ふと考え込むと、誰かにぶつかってしまった。

赤茶色のロングに髪と同じ色のたれ目。胸元にはピンクの布リボン。



「あ、あの!新入生の方ですか?」

「はい!そうです...」



「良かった、何組でしたか?」

「私は1組でしたね...」

「あ、一緒です!」



「一緒に教室行きましょう!」と言われ、一緒に教室へ向かう。

彼女の名前は如月りめあ、ちゃんというらしい。

如月って、どこかで聞いたことある気がするのだけど...気の所為ということにしておこう。

話が進むうちに、お互いが「しーちゃん」「りめちゃん」と呼ぶ仲になった。




「あ、ここだね」

「そうみたいですね」



(いざとなると、緊張するな...)



りめちゃんと一緒でも、緊張するものは緊張する。



「せーの!で開けようか」

「わ、分かりました」



「「せーのっ!」」



ドアを開けた先に広がっていたのは......




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