第16話 白銀美桜09

 アンコール曲が終わる。

 だいたい、一時間くらいのライブだった。

 

「よかったよ」

「また来るね」

「つぎはいつするの」

 そんな言葉をかけて、お金を布の上においてれる。


「ありがとうございます。また来てくださいね」

 わたしたちはその前で手を振ったり、お礼を言ったり。

 まあ、地下ライブでやってたのと同じなんだけど。

 向こうでは握手会やチェキなんかしてたな。


 ライブの片付けをして、美羽がお金を数える。


「発表、今日の売上は…

 50000ゴルです」


 みんな手をたたく。

 これでなんか一息つけそう。

 やっぱ余裕がないと雨がふったらどうしようとか考えちゃうし。


 とにかく、この後夕食まで買い物の時間となる。

 ずっと衣装ってわけにもいかないし、まず服から。

 こっちでは古着屋を作業着屋が主流みたいだ。

 わりとましそうな古着を買う。

 上着以外は一枚100ゴルって感じだ。

 それから下着、これは古着ってわけにもいかないし、一枚100ゴルくらい。

 詩織が布地がほしいっていうから、少し布地も買う。

 あと、髪の毛の油とか紙とかタオルとかそういうものもそろえる。

 それで3000ゴルくらい使ってしまう。


 あとはお風呂、魔法でお湯を沸かして、それを貯めてあるところからすくって身体を洗う。

 湯舟ってないから、シャワーっていうか行水って感じ。

 でも、さっぱりすることができる。

 ついでに衣装とか下着とかを洗濯しておく。


 あと夕食も昨日より豪華なやつを、パンとスープ以外に謎肉のステーキがついたやつ。

 謎肉は牛肉っぽくて思ったより柔らかかった。

 向こうの外国産ステーキの店のお肉くらいのグレード。

 まあ、食べられる。


 これで、生活の基礎ができた。

 

 ごはんのあとは打合せだ。

 詩織が布地から衣装を作り出している。

 この子の創作能力はすべてにわたる。

 絵もうまいし、デザインもできる。

 詩織いわく、音楽のような形のないものは材料がいらないが、衣装のような形のあるものは材料が必要らしい。

 それで詩織は布地を欲しがったのだ。

 5人分の新しい衣装ができる。

 セーラー服デザインの衣装だ。

 とにかく、だんだんいろいろなことができるようになってくる。m

 

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