第15話 白銀美桜08

「いまから、ジュエルボックスのライブはじめま~す。

 みんな聞いていってね」

 美羽が大きな声で言いながら手を振る。

 それと同時に詩織がミュージックボールを操作する。

 そのとたん、大きな音でイントロが奏でられる。

 うん、いい音、このくらいの規模ならちょうどいい。


 わたしたちはダンスを始める。

 音につられて足を止める人が増えていく。

 わたしの歌が始まると、会場が盛り上がり始める。

 みんな、身体をゆすってわたしたちの音楽に乗ってくれる。

 この一体感って大好きだ。

 みんなの乗りによってステージがもっといいものになったりするんだ。

 やっぱ音楽やダンスは世界共通なんだ。

 次元を超えても通用するんだ。

 わたしたちは一曲目で手ごたえを感じる。

 こっちでもアイドルはやっていける。


 一曲目が終わって大きな拍手につつまれる。

 間髪をいれず次の曲にはいる。

 これもわたしたち代表曲だ。

 詩織が少しアレンジを変えたけど、よりよくなってる。

 

 わたしは中央から下がる。

 こんどは美羽がセンターだ。

 美羽も歌が上手い。

 小さな時番組主題歌を歌ってたこともあるみたい。

 そのCDはすごく売れたみたいだ。

 今のわたしたちからは信じられないくらい。

 何万枚とか…

 だから、歌はすごく上手い。

 っていうか美羽の場合は少し違う。

 歌手の役を演じるのが上手いって感じ。

 だから、ものまねとかもものまね芸人レベルですることができる。

 ステージのMCのときに少し披露してたりするけど、あんなレベルじゃない。

 

 2曲目も大盛り上がり、つぎはダンスナンバー。

 ビートの強い曲。

 もちろんセンターは佐那。

 佐那のダンスも観客の心をつかんだみたい。


 それから、一夏の元気いっぱいって感じの曲。

 ステージいっぱい動き回り、勢いで歌うんだけど、なんか元気づけられる。

 観客もノリノリでついてくる。

 一種、新体操の演技をみているような感じだ。


 つぎに詩織。

 ほんとはソロとか嫌がるんだけど、毎回一曲だけはいれてある。

 本当はピアノとかあればいいんだけど、ここにはない。

 すごい早い曲で音程をキープするのが難しい曲。

 それを幼い声で間違わずに歌っていく。


 盛り上がったところで、みんなで歌う歌をいれていく。

 会場の盛り上がりは最高潮、それと観客もいつのまにか100人以上になっているのだった。

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