第3話マフィア
「目覚めた?お疲れ様。」
起きると目の前にはあの時の少女が立っていた。よく見ると見慣れないベッドと部屋。
「ここが今日から君が過ごす部屋だよ。」
「え、いや、ちょっと待って。俺実家暮らしなんだけど…」
「能力者がその辺ぷらぷら歩いてるとこの間の私みたいになるよ。それに君、実家気に入ってないってかむしろ嫌いでしょ。あんな夜道1人で歩く中学生なんて不審者の餌だよ。」
「は?中学生じゃないし。」
「ごめんごめん。でさ、今日から君はわたしの会社に入社することが決まった。もう傷は治ってるだろうし、着いてきて。」
部屋を出て、エレベーターを降りると広いロビーについた。ロビーから廊下に進み、1番奥の部屋につくと、少女は扉をノックした。
扉が開くとそこには金髪の若い男がいた。
「いらっしゃい。君が白狼の使い手だね。昨晩は見事だった。」
「ありがとうございます。」
やっぱり俺はあの能力者殺しを殺したのか。
「私は獅子沢。獅子の使い手でここのボスだ。」
「俺は狼谷です。ここは…?」
「この世界には多様な能力者が存在する。そんな能力者を集めた犯罪組織だ。」
「犯罪組織…?」
「俗に言うマフィアだ。使えぬ能力などない。富豪は誰でも憧れるだろう?人々は愚かなものだがな。」
マフィア。この街じゃ噂程度で聞いていたが、本当にあったのか。
「ですが俺は…」
「ボス。至急連絡いたします。」
突然部屋に入ってきた女性はボスに一枚の手紙を渡した。
「至急倉庫に出るぞ。兎月は奴らを呼んで倉庫前に待機しろ。狼谷は俺についてこい。」
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