「暑いと言ってはいけない」この言葉の怖さが、わかりますか?さあ、思い出せ…。

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 この話を読んで、「なつかしい!」と思えたあなたは、良い感じに生きてこられた世代だと思います!自信をもって、生きていこうぜ!

 あなたは、あの言葉の怖さが、わかりますか?

 この話のオチの意味が、わかりますか?

 うちの高校の「サ道」部は、今日も、平和だった。

 「茶道部」ではなく、「サ道部」。

 今の日本では、サウナが人気。

 だからなのか、「サウナに入って心と身体を休めよう」をテーマに、すぐに、部ができた。

 困るのは、なぜか、サ道部の部長となった男子が、次々に消えてしまうということだ。

 なぜ、なんだろうな?

 地元の新聞でも、取り上げられたミステリー。

 今日も、サウナが恋しい。

 荷物を置いたサ道部の部員たちは、すぐ、サウナ室へダッシュ。

 脱衣室ではだかになる、男子たち。

 いやーん。

 サウナから出た後で、水泳部の持つプールに飛び込むのが、楽しみでならない。

 なあに、問題はない。

 「サウナから出たら、プールに、入らせてくれないか?良いじゃないかよう!水泳部の部員皆に、う〇い棒を買ってやるからさ!」

 話は、つけてある。

 「さあ!皆で仲良く、ととのおうぜ!」

 なかなか、面白い部員たちだと思う。

 「部長?暑くありませんか?」

 言われて、吹いてしまった。

 ここは、サウナ。

 暑いのは、当たり前じゃないか。

 ああ…。

 ととのいそうな予感。

 女子の部員がまだいないのは、さみしいが。

 「部長?このサウナ部屋の温度調節は、このままで良いですか?」

 部員たちは、良く、気を遣ってくれる。

 「ちょっと、温度、高くないか?…いや、何でもない」

 がまん。

 がまん。

 部員たちに、強い部長像を見せてやりたくなっていたからか?

 に、しても…。

 部員たちは、部長思いだ。

 「部長?がまんは、身体に悪いですよ?」

 「いや、平気さ」

 俺の身体から、汗が流れ落ち続ける。

 まわりの部員たちの身体からも、汗がたれる。

 「そうだ!」

 そのとき俺は、部長らしく、皆の注目を引こうと言ってやった。

 「皆!暑いとは言わないように、しようぜ?暑いと言っては、ならない。ここでのタブー、だ」

 俺にしては、良い感じに考えられたゲーム、だろう?

 新部長になると、こういう能力が、使えるようになるんだ!

 「大丈夫か、部長?」

 「心配、するな!」

 俺は、サウナ室に、魔法をかけた。

 「言ってはならない言葉のテリトリーを作って、場を支配する」

 それが、新部長となった男が使える、タブーの能力だ。

 部長として、皆に、強いところを見せてあげなければなるまい!

 いくぜ!

 「さあ、はじめよう!ここでは、暑いと言ってはならない!」

 「おお」

 「さすが、部長だ」

 意外に、ウケが良かった。

 「そうだ、部長?」

 「何だ?」

 「ここのサウナから出たら、今日は皆で、冷たいサイダーでも飲みましょう!」

 「おお、良いね!」

 皆が、はしゃぐ。

 俺は、気分が良かった。

 だから、言ってやったさ。

 「ありがとう、皆!冷たいサイダー!良いねえ。あ、ついでに…!」

 すると、部員たちの顔が青ざめる。

 「あー…。言っちゃった」

 なんと!

 俺は、サウナ室の精神世界っていうミステリー空間に、取り込まれてしまったのである!

 「あっ!」

 「クワバラ部長が、消えたぞ!」

 歴代部長が行方不明になっていくミステリーが、今、解けたんじゃないか?

 …どう?

 なつかしい?

 この話の意味がわかる人は、ユーハクで良い感じだと思います!








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