その翼に誇りを、その瞳に覇天の輝きを 33
ドラゴンと共闘って……マジで言ってるのカグラ様……?
たった今ドラゴンのブレスで、私死にかけたところなんだけど?
しかもそのドラゴンは、『人間なんか眼中にない』みたいな感じだったんだけど?
まぁでもそうか。
ドラゴンが4体居るとしても、それだけで
それに、ドラゴンがプレイヤーを巻き込めば、それだけドラゴンがヘイトを集めることになる。
そう予想して、カグラ様は私に指示を出したのだろう。
なんとなくそう考えていると、崩れたクラン拠点の方からこちらへ近づいてくる人影が二人。ヘルメスさんとミカツキちゃんだ。
「あ、ヘルメスさんとミカツキちゃん、やっほー。あなた達も参戦?」
「そうだ。カグラに言われてね」
「あの子、なんかちょっと生意気じゃない?」
「カグラ様は控えめに言って最強だから、悪口とか言わない方がいいわよ?」
「つーかさ、スペリオルクエスト始まってやっと『ディー・コンセンテス』のメンバーが揃ったか」
「今まで別行動だったからね……今からはクランで動く?」
「そうだなぁ。ドラゴンは4体でこっちも4体だし、一人当たり1体を担当して———」
「ちょ、ちょっと待って。私もその数に入ってるの?」
「そうだな。クロ……じゃなくて、
「あ! それならさ、ミカツキちゃんも俺らのクランに入る? ミカツキちゃんが良ければ、だけど」
「え……?」
・まさかの新メンバー!?
・4つ目って何が4つ目なんだろう
・まさかのヘルメスも前線に行くんか?
●カローナ様のブーツ:[¥5,000] おねロリ百合展開期待
・お前さぁ、一周回ってすごいわ
・今日の配信だけでいくら使ってんだよ……
「それはいいかもね! 私も、女子一人だけだとちょっと心細かったし……」
「別に入る分にはいいけど…………脳筋お姉ちゃんと一緒かぁ……」
「聞こえてるわよ? 文句でもあるの?」
「ちょっ、カローナちゃんが『脳筋』って呼ばれてるの面白すぎん?」
「しかし否定できない辺りが何とも……」
「ヘルメスさんにまで言われるとは思ってなかったんだけど!? ミカツキちゃん! この二人はミカツキちゃんから見てどう!?」
「え? えっと…………『ゲームしか取り柄なさそう(Mr.Q)』と『アイドルオタクそう(ヘルメス)』かな……」
「「 」」
「プッww ほら、あなた達も言い返せないじゃん! ざぁこ♡ざぁこ♡」
「うわぁ……」
・さすがに草
・絶妙に的を射てるんだよなぁ
・クランメンバー→ゲームオタ、ドルオタ、脳筋、メスガキ(New!)
・カローナ様とMr.Qが一番子供
●カローナ様のブーツ:[¥5,000] ありがとうございます! ありがとうございます!
●オルゾ・イツモ:[¥5,000] カローナ様の『ざぁこ♡』の破壊力……
・あー、もうっ、あーっ!
・子供か!
・一番年下のミカツキちゃんが一番落ち着いてるというね
・だからそういうところが好きになるんだって!!
・ドン引きしてるミカツキちゃんも可愛い……
・いや、カローナ様は『ざぁこ♡』より『キモ……』の方がいいだろ!
・なんだぁ、てめぇ……
・お? お? やるか?
「いや、人の配信のコメ欄使ってケンカ始めないでくれる?」
私は別に狙って言ったわけじゃなくて、『ミカツキちゃんの真似すんなよww』みたいな反応を期待してたのに、私のチャンネルの視聴者さんはどうしてこうも業が深いのだろう……。
……いや、私のせいか。
よし! このことは考えないようにしよう!
「じゃあミカツキちゃん、クラン加入の申請送るから、承認お願いね?」
「はーい」
うーん、こういうところでちゃんと返事ができるんだから、ミカツキちゃんって根はいい子だよね……。あのメスガキムーブはファッションなのかな? ファッションメスガキ?
そんなくだらないことを考えつつ、私からミカツキちゃんへとクラン加入申請を送る。
「えっと……」
「ん? あぁ、ここをこうして……」
「あっ、なるほど。ありがとう、お姉ちゃん」
「ふへっ……ううん、どういたしまして」
・カローナ様もロリコン
・にやけ顔が変態のそれ
・ゆうてお前らも、ミカツキちゃんに『お兄ちゃん』って言われたら暴走するだろ?
・それはそう
ミカツキちゃんが可愛いから、コメント欄の失礼な言い方も水に流そう。
私には優秀な弟しかいないしねぇ、こんな素直で可愛い妹がほしい人生だった……。
「ところで、ミカツキちゃんってあんまりアネファン歴長くない? UIの扱いとか慣れてなさそうな感じだったけど……」
「まぁ……そうだけど。一か月経つか経たないかってぐらいかな?」
「え、短っ」
「むっ、短いとダメなの?」
「えっ、いや、そういうことじゃなくて……期間の短さの割に優秀過ぎると思って」
「えっ……あ、ありがとう? 褒められてるの……?」
「そりゃもちろん」
『
『
優秀な中距離アタッカーが増えて、『ディー・コンセンテス』も少し成長したことだろう。
「よし、とりあえず俺らも
「そうね……ドラゴンと共闘ってどうすればいいのか分かんないけど……」
「———ォォォォォォオッ!!」
「お? 噂をすれ……ば?」
突然聞こえてきたドラゴンの声と、私たちを覆う影。
嫌な予感を抱きながら視線を上げると、
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