と、特別なんだからね!
「えー……突然ですが、今からゲリラ配信を始めます」
その日の夜、私は本日二回目となる動画配信を開始した。動画映えとインパクトを考えて最初はメイド服を隠すためにはどうすればいいかと考えた結果、『
・!?
・本日2回目!?
・顔ドアップとてもいい
・ビックリした!
●オルゾ・イツモ:[¥5,000] もちろん見てます
「ぁっ、唐突な配信なのにもう見てくれる人が……ありがとうございます。あっ、オルゾ・イツモさんありがとうございます! 毎回最初にスパチャくれますけど……お財布大丈夫ですか?」
・ぁっ……(笑顔にときめく)
・大丈夫だ、問題ない
・画面いっぱいにカローナ様のお顔助かる
・カローナ様の過剰接種でどうにかなってしまう……
・まつげ長……目でっか……
・プルプルの唇いいよね……
・キス待ち顔きぼんぬ
「しーまーせーん。えっとですね、突然配信を始めたのは、ちょっとした案件が舞い込んできまして……あっ、案件って言ってもリアルマネーが動いてる訳では無いですよ!」
・おっ、珍しい
・お顔ドアップと関係が?
・二度目のカローナ様分摂取……ええんか?
・女の子の口が動いてるのをこんなまじまじと見つめるのって、なんかエッ……
・今日も今日とてお可愛らしいですこと……
・間近で聴こえる息遣いがこう……とてもクる
・コメ欄が初っぱなから飛ばしてて草
●カローナ様のブーツ:[¥5,000] キス顔お願いします。もしくは罵ってください。
・はえぇよwwまだ配信始まって1分だぞww
「……チッ……んっ…………これで満足ですか? 変態
・舌打ちww
・から一転キス顔の合わせ技!?
・カッ……はっ……
・まさかのご主人様呼び!?
・はい死んだ———っ!クリティカル入って死んだ———っ!
・えっ、天使……ここは天国ですの……?
●チョロリスト:[¥7,000] 好きです
●オルゾ・イツモ:[¥5,000] 今の5000円じゃ安いと思う
・あー好き、もう、めっちゃ好き
・舌打ち→キス顔→ご主人様?→恥ずかしくなって赤面。無敵か?
●テングスタン:[¥10,000] 今のコンボ最強過ぎるだろ……
●プレーンかき氷:[¥5,000] これで1ヶ月は生きていけます
●ロリコンストリクター:[¥10,000] この気持ちをスパチャするしか表すことができない自分の語彙力をこれ程呪ったことはない
・なぜにご主人様? いや好きなんだけどね
・「ご主人様」まで余裕浮かべてたのに最後に赤くなっちゃうのがもう……もうっ!
・これが本当のリップサービスってかww
・↑お前はもう黙ってろ
「んんっ! いや、その……今回私が宣伝を頼まれた装備が関係してるから、雰囲気作りのために、ね……」
そう前置きをしつつ、目の前に固定していたカメラをオート操作にし、私の全身を映す。その瞬間、『ヴィクトリアン』シリーズに身を包んだ私のアバターが配信を通して全国へと映し出された。
・あっ、あっ
・メイド服!?
・メイド服やんけ!
・神すぎる……
・死ぬ……萌え死ぬ……
●カローナ様のブーツ:[¥10,000]カッ……はっ……
●代表戸締り役社長:[¥8,000]っ! っ!!(言葉にならない感動)
●オジサン(生食用):[¥7,000]
●野良チワワ:[¥5,000]
●ロッケン:[¥5,000]
●腹周りデブリ:[¥7,500]
・コメ欄が言葉失ってて草
わーお、すごい反響。
「そうこれ、『ヴィクトリアン』シリーズって言うんだって。見た目ももちろん可愛いし、性能もすごくてさ。これとこれがDEX特化で5段階強化済みで、これとこれがAGI特化5段階強化、でこれがSTR特化5段階強化って感じになってます」
・ふぁっ!?
・1ステ特化5段階強化はヤバない?
・うんうん、すごい可愛いね
・チラッと覗く太ももハァハァ
・コストも突っ込んだ素材もヤバいけど、これ作り出す製作者がヤバすぎる
・普通の鍛冶師では無理だろ。上位職業がいる
・回るとフワッと広がるスカートやばい
「本人から詳しく聞いてないんだけど、5段階強化ってそんなにヤバい?」
コメントを見て色々と分かったが、装備の強化には強化するステータスに応じた特定の素材、例えば『攻撃の種』や『技量の種』などを大量に必要とするらしい。
まんべんなくステータスを強化するのであれば、素材の数もそこそこなのだが、一つのステータスに特化して強化しようとすると、2段階目は二倍、3段階目は三倍……といった具合で素材の必要数がバカみたいに増えていくというのだ。
「つまり5段階強化のこれって……」
・廃人の所業
・狂気の沙汰
・アネファンに魂売ってる
「ひえぇ……」
ヘルメスさん、只者じゃなかったのね……。
「あ、ちなみにこれの作成者はヘルメスさんっていうプレイヤーです。多分知ってる人もいるんじゃないかと思いますが……私が宣伝を任された次第ですので、皆さんも装備を作りたいときはヘルメスさんに依頼してみてくださいね!」
・やっぱりヘルメスだよなぁ
・結構かたっ苦しい感じに見えたけど、メイド服なんて作ってんだな
・ヘルメスのところに通ってればワンチャンカローナ様に会えるんじゃね
・でもお高いんでしょ?
「まぁ生産で稼いでる人だからそれなりの値段になりそうだけど……初心者向けの装備も作ってるし、価格については相談を受けるって言ってたので、どんどん依頼をして欲しいと思います!」
さて、ヘルメスさんの宣伝はこれぐらいでいいかしらね……。あとはコメントでも性能が気になってるみたい出し、『ヴィクトリアン』シリーズの性能チェックをしていきましょうか。
「じゃ、皆さんお待ちかねの性能チェックにいきたいと思います! 時間的にもいい感じ、折角ですし……今からハクヤガミに挑みたいと思います」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます