準備運動12
「いやー、食った食った」
翔吾が軽く自分の腹を叩きながらそう言う
ちょうど今、みんな食べ終わったところだ
「集合時間まであと、1時間ぐらいか」
腕につけた時計を見ながら、
残りの時間どうしようかと考える
皿とかを洗うのはって考えたけど
洗わないで捨てる皿だったんだよなぁ...
「わ、私ちょっと座りたいかも...」
そうだな....さっきまで立ちながら食べてたもんな
「わかった、レジャーシートでも広げるか」
持ってきたリュックの中を漁ること数秒
あったあった
持ってきたのは4人なら全員座れるサイズの
結構大きめのレジャーシート
「よし、みんな座っていいよ」
リュックから出して、その場に広げみんなを呼ぶ
「あ、ありがと」
「気にしなくていいぞ、この後はレクもあるし
休める時に休んどかないとな」
「だなー、レクって何すんだろ」
と、俺が言った「レク」の部分を拾い
翔吾は素直な質問を投げかける
いや、まぁ俺に聞かれても知らんが
「先生が教えてくれたけど、自由参加で5人組でフラッシュ暗算対決するみたいだよ?」
と、先生が頑なに教えることを拒否した内容を和泉さんがポロッと言う
...え? これ、聞いても大丈夫なやつ?
「外でフラッシュ暗算すんの?
なかなか面白いこと考えるんだな、先生」
と、翔吾も驚きを露わにする
だよな...外に来て、フラッシュ暗算...
やっぱり、先生たち個性強いよな...
「てか、5人組なんだろ?
凪、一緒に───」
「悪いけど、それは断る」
「えぇーー、何でだよぉ!!」
そのまま地面に寝っ転がって駄々をこね始めそうな勢いだな...子供か、お前は
「前にも言ったけど、目立つようなことは俺はしたくない」
「いいじゃんかーー!!!」
「絶対にやだ」
てか、なんでこういう時にキャラが変わるんだよ...
「ちぇー...じゃあ、仕方がないから
和泉さん、一緒にやろうぜ」
「いいよー!!」
...ん?
翔吾はなんで、「ノリ悪いなぁ...」みたいな目でこっちを見てくるわけ?
俺、理由説明したよな?
「残りの3人はどうしようかなぁ...」
「お前なら、いくらでも捕まえれるんじゃねぇの?」
翔吾はクラスの中で人気者の部類に入るはず
むしろ、捕まえなくても
向こうから「入れてー!!」って来そうな気がする
例えるなら、翔吾が持ってる餌をつけてない釣竿が入れ食い状態になる...みたいな
それを本人に行ってみると
褒められて満更でもない表情をしていたのは、また別のお話...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます