準備運動4
やばい、俺の目立たないはずの生活は...どこへ!?
考え込んでいると教室の扉が開き
先生が入ってくる
さっき入学式で発表されてた俺らのクラスの担任か
「みんな、席つけー」
先生の一言で、話していた人たちも自分の席へ足早に戻っていく
「それじゃあ、入学式でも名前呼ばれていたが
改めて」
生徒が席についたのを見て、先生は話し始める
「今日からこのクラスを担当する玉川葵だ
担当科目は体育だ よろしく」
体育、そんな感じは確かにある
体は結構ガッチリとしていて、
身長も多分だけど190センチぐらいはあるんじゃないかな...
「そういうわけで、俺の自己紹介は終わり
次はみんなに自己紹介をしてもらおうと思う
順番はなんでもいいから、よろしく!!」
と、先生が教室に入ってきて
わずか2分弱で自己紹介がスタート
切り替えて目立たないようにやろう..
うん、そうしよう
無個性な自己紹介
あるあるな自己紹介...
え..? こういう時何言えば良いんだっけ
やべぇ、出番回ってきた...
頭が真っ白の状態で、とりあえず教室の前方へ向かう
「えっと、..藤永凪です
好きなことは読書と勉強です(大嘘)
これからよろしくお願いします」
みんなぼーっとしてる...?
あれ? これ、大丈夫なやつだよね?
──────────────
他の人視点
「えっと、藤永凪です」
(やばい、めちゃくちゃイケメンじゃん)
(え、やっぱり俳優さんかなにか...?)
(ちょっと、後でスマホで調べてみよう)
(かっこよすぎだろっ!!)
そもそも嘘をついてまで話した内容は
誰にも聞かれていなかったのだった...
──────────────
はぁ、やらかした
自己紹介、俺の番は終わったけど...
他の人の自己紹介が終わる度に
色んな人と目が合う...
なんでだよ...目立たないようにしたはずなのに
思わず額を机にぶつけて、手で隠そうとする
「浅田翔吾です
スポーツは大体全部大好きです
よろしくお願いします!!」
教室が拍手で溢れる
あー、羨ましい
目立つことをわかってて、あんなに元気に自己紹介とか出来んのか...
それにしても、俺の時と扱い違いすぎないか?
やっと、自己紹介終わった...
もう今日はこれで全部終わったし
なんか言われる前に帰ろう
「よし、じゃあこれで今日は終わりだ
明日から授業あるから、さっき渡した教科書とか忘れてくるなよー」
撤収!!
余談...
凪が動揺して聞いていなかった自己紹介集
「塚越楓です
入学式では、新入生代表を務めました
ANYMOREというアイドルグループに所属しています
よろしくお願いします」
一礼し落ち着いて自分の席へ戻っていく
「やっぱり!! 本当にアイドルが同じクラスなんだ!!」
「すげぇな...」
「本当に美人だよねー!!」
「川井椛です」
「ん...? 川井椛って..」
「もしかして...」
「ANYMOREに所属してるアイドルです...
よ、よろしくお願いします」
少し恥ずかしそうに、席へ戻っていく
川井椛のことをアイドルと知っていたのは1部だったようだが、今の自己紹介で全員の目が尊敬の色へと変わる
「やっぱり、聞いた事あると思ったら!!」
「あの子もかわいい!!!」
「み、宮城さ..く....です」
(え?)
(ちょっと聞き取れなかった...)
「A..MO...に.....です
よ、よろしく...お願いし、ます....」
(ん...?)
(人見知りなのかな...?)
(え? この子も可愛くない!?)
(アイドルやっててもおかしくないんじゃない!?)
そして、自己紹介を終えると
彼女は赤面した顔を隠しながら早足で席へ戻って行ったのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます