準備運動5
学食美味いなぁ...
入学式から2日経ち、授業が普通に行われているんだけど、今はちょうど昼休憩の時間
生徒のほとんどが食堂で学食を食べていて
俺もそのうちの1人
ただまぁ、一緒に食べる人もいないから
1人、端の席に座って食べている
「おーい、凪 1人で食ってんの?」
この声は...
いつの間にか背後に浅田翔吾が来ていた
「げっ....」
思わず変な声が出る
「なんでお前、そんな露骨に嫌そうな顔するんだよー」
これには深い訳がある....
入学式と今日含め
大体3日、こいつの性格とか行動とか
何気なく見ていたんだが...
決して悪いやつじゃないんだ
でもな、放課は多くの友達に囲まれ
放課後も仮入部の部活で女子の視線をかっさらっている
そう、目立たないことが目標である俺の...
ある種、天敵とも言える存在になっているのだ
しかも、その天敵に入学式から目をつけられていたのだ
正直、あまり話したくない人物なんだよな...
「で...? どうして、わざわざ俺のところに来たの?」
とりあえず、あるあるの質問を投げかける
すると、翔吾は悩むことなく即答
「え? 理由....そうだなー
お前と一緒にいれば面白いことに首を突っ込める気がするから」
んー、そのセリフ
入学式の時も聞いたな...
これはもう、どうしようもないやつだな
仕方ないからこのイケメンの傍にいる目立たないキャラを目指すか
そうしないと、首を突っ込まれるどころか
俺が不可抗力で面倒事に首を突っ込むことになりかねない...
「とりあえず、一緒に飯食っていいか?」
俺の座る場所は一応、2席空いている
まぁ、流石にいくらこいつが人気でも
食事中はどうにかなるだろ
「いいよ、座っても」
「サンキュー!」
「そういえば、今日の午後の授業で何するか知ってるか?」
目立つことなく食事が進んでいるところで
唐突に話題は午後の授業へ
「いや、知らないけど...なんか特別なことでもあるのか?」
翔吾はわざとらしく咳払いをして
「実はな...俺も先輩から聞いたんだけど
新1年は毎年、親睦のためにどっかに行くらしいんだよ」
どっかに連れていかれるんだ...
「それでな、俺たちは今日の午後の授業で行き先と、一緒に行動するグループが発表されるらしいんだよ」
へぇ...
なかなか面白そうだな
これも行動範囲が広まった高校生ならでは....
なのか...?
「今まで何やってた...とか聞いてないのか?」
俺の質問に翔吾は顔を歪ませる
「それなんだけど...毎年バラバラで検討もつかないんだ」
顔を歪ませるほど、悩む議題だったっけ....
まぁ、それはいいんだけど
「つまり、後のお楽しみって感じか」
「そんな感じだ」
話に夢中になり、いつの間にかチャイムが鳴り響いていた
「あ、やべっ!!」
もうそんな時間だったか
「凪、急ぐぞ!!」
仕方ない...
「了解!!」
2人揃って、学食の皿を片付け
教室へ向かって勢いよく走り出す
「ちょっとーー!! 走ったら危ないでしょ!!」
『『すみませんっ!!!!』』
「うるさい!!!」
やべ、別の人にも怒られてる!?
あ...あの、すみませんでした
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