準備運動2

とりあえず、教室まで来たけど...


やっぱり、知り合いはいないな...


というのも、ちょっと今まで通っていた中学校からは場所が離れてるから、知り合いはわざわざここまで来てないんだよな


じゃあ、なんで俺がここに通っているか...


それは、こうやって髪を切られる可能性が頭の中から離れなかったから...


案の定こうなったから、選択を間違えてはいないと思うんだけどな


...そろそろ体育館に移動して入学式か


みんなも移動し始めてるし俺も行こう







「それでは、校長先生のお話です

校長先生お願いします」






「みなさんが高校生活を楽しめるように私達も精一杯支えていきます。みなさんも勉強に部活、友情などなど楽しんでいきましょう」


長ぇ...

もう20分ぐらい1人で喋ってたし、やっと終わった...


「ありがとうございました

それでは、次に新入生代表挨拶です

塚越楓さん、お願いします」


「はい」


司会から名前を呼ばれた1人の女の子が

返事をし、壇上へ堂々とした足取りで向かっていく


腰より少し高い位置まで伸びた金髪

それに、薄い紫の瞳


誰かの理想をそのままに神が再現したかのような美少女だった


そして彼女は堂々とした口ぶりで話し出す


「新入生代表を務めます、塚越楓です

まず、初めに​───────」


やばい、話が全く入ってこない...


周りでは...


「ちょっと待て、あの子アイドルじゃね?」


「だよね! テレビで見た事ある!」


「めちゃくちゃ美人だな...」



なるほど...アイド​────


は? アイドル!?


道理で見た事あるはずだ...


てか、アイドルが新入生代表になったら

そりゃ、混乱するよな...


てか、先生は何を考えて

アイドルを新入生代表にしたんだ?


これじゃあ、挨拶どころじゃ​────



「分からないことがたくさんあり、先生や先輩方にも迷惑をかけることもあると思いますが...」


周りの混乱を他所に、彼女は挨拶を続けている


その様子を他の人も見たのか


段々落ち着いて話を聞く人が増えてきた


すげぇな....


「これで新入生代表挨拶を終わります」



塚越さんは一礼し、体育館が拍手に包まれる


すごい、圧巻だったな...

よくみんな落ち着いて話を聞けたもんだ




​───────​───────

その後、各種連絡や担任発表が行われ

入学式は幕を下ろしたのだが、


俺はそれをほとんど聞けていなかった


入学式終了までアイドルの新入生代表挨拶を引きずっていたのだ


いやね、これに関しては落ち着けている他の人がおかしいと思うんですけどね?


このまま心を落ち着かせて

目立たず生活できる気がしないんだが!!??

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