何故か同級生人気アイドル達に追われています!!!

準備運動1

俺、藤永凪はとにかく目立つのが嫌いだった


というのも...


​───────​───────

「やばくね、あいつイケメンすぎだろ!!」


「めちゃくちゃかっこいい!!!」


「ねぇねぇ、私たちと遊びに行かない?」



なんて感じで、望んでもないのに

みんなから注目を浴びる羽目になっていた小学生から中学生1年まで


それから家の事情で転校し、

俺は髪を伸ばし、とにかく目立たないように生活するようになった


今までは友達と関わりに行っていたが

嫌われず、「そういえば、そんなやついたな」と

思われるように生活していた


でも...



「あんた、高校生にもなるってのに髪、そのままで行くつもり?」


親は俺のことを何も知らない


「そうだけど?」


...俺は今、返答を間違えた

後悔しても「時すでに遅し」というやつだが...


「そんなのダメに決まってるでしょっ!!

今すぐ髪切ってやるんだからっ!!!」


少し前まで床屋で働いていた母はこういうところで余計に口を出してくる


そして、この状況になりゃ最後

髪を切られるのは回避不可能


終わった....


​───────​───────



明日入学式なのに...


これじゃあ、今までと同じになる...



いや、まだ諦めるには早い

どうにか目立たないように、すれば....


無理か、中学生の時も長い前髪があったおかげでどうにかなったんだよな....



頼む!!! 明日は目立ちませんように!!!



俺よりも目立つ人がたくさんいればっ!!!





​───────​───────

翌日...


「あの人、かっこよくない?」

「俳優? それともアイドルかな!?」

「制服めちゃくちゃ似合ってる!!」


あぁ、知ってたよ

こうなるって...



ここは...逃げるが勝ち!!!



「あ、行っちゃった....」






どうにか学校の前まで逃走に成功


「わっ!?」


隣から突然声が聞こえ、思わず勢いよく振り向いてしまう


振り向いた先では、女の子が1人転んでいた


制服...同じ学校かな...?


って、それどころじゃないな




「大丈夫ですか?」


とりあえず、声をかけ手を伸ばす


「すっ、すみません...」


女の子は俺の手を握り、立ち上がる


めちゃくちゃ手が柔らかい...


って、そんなこと考えたら失礼だろっ!!


「怪我とか...」


「大丈夫で...痛っ」


言いかけて、女の子は足首を抑える


「あ、ちょっと腫れちゃってるな...」


何か入ってなかったっけ...


あっ....


「これよかったら使ってください」


効果があるかわからないけど

とりあえず、リュックにたまたま入っていた湿布を手渡す


「あ、ありがとうございます...」


「1人で歩ける?」


「はいっ、本当にありがとうございました」


「気をつけてね」


と、言うわけで

早速知らない人と喋ってしまった


ま、まぁ

周りに他の人もいなかったし大丈夫だろ...


よしっ、気合い入れ直して

目立たないように頑張ろうっ!!!


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