モノローグ(終)
あの日、私がどうしてデリヘルを辞めたのかは、あまり自分でも理由がわかっていない。けれど、理由はわからなくていいとも思う。後悔はしていない。
大半は辛いことばかりだったが、この職業でなければ、出会わないであろう尊敬できそうな男の人もいた。面白い出来事もあれば、結果的に人生を深く考えさせられる出来事もあった。それ自体を否定はしない。否定したら過去の自分が可哀想というネガティブな理由からでもない。自分のことを男に搾取されただけの女とは思えないからだ。
「私が私らしく生きる道」なんて言葉も、自分に似合わない気がする。それでも、あの大火がなければ、私は今こうして微笑んでいないだろう。
火傷 松井みのり @mnr_matsui
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