第51話 慰霊碑
足元が不安になっていく山道にリリアンは
「日没か…。少し進んだ場所に広い場所がある!!そこまでいくぞ!!」
朱炎は兵士に声をかけると兵士は声を上げて答える。リリアンも疲れがというより頭が痛くなってきたのが感じる。
「公女様、大丈夫そうですか???お水をどうぞ」
「ありがとうございます。山に登りなれていないとダメですね」
「しっかりお休みください。これより先は休憩はありません」
朱炎はリリアンにお水を差し出すと邪龍の住処が近いことを説明してくれる。リリアンはしっかり体力を温存しておかなければと感じる。しっかり深呼吸をして水を飲んでおく。不安で手が震えているのを感じるとイフが心配して姿を見せる。
「
「ごめんね、大丈夫だよ。ううん、大丈夫じゃない。不安で心臓が飛び出しそう…」
するとテントから姿を見せるランベルはリリアンのことを心配している表情をしている。
「大丈夫かい??」
「ランベルさん…」
「ちょっと歩けるか??」
リリアンは立ち上がるとランベルの元へ行く。イフは不思議そうな顔をしながらついて来る。先ほどまで足が鉛のように重かったというのに、とても軽く感じる。誰にも言わずにテントを抜け出したリリアンは森の中に入っていく。
リリアンに食事を運ぶ
「公女様、お食事をお持ちしました…。公女様???」
テントの中にいないリリアンに水華は焦りを感じる。この山にはあの邪龍に殺された兵士たちの怨念が残っているということを、リリアンに説明していなかったことを今になって気がつく。水華は持っていた食事を落として朱炎の元へ走っていく。
朱炎がいるテントは慌てて入る水華に朱炎は慌てることもなく、普通に返事をする。
「今ちょっと手が離せないんだ、急用じゃないなら後に…」
「兄様!!!!!大変だ!!!!リリアン様がいない!!!!!」
「はぁあ…????」
ーーーーーーーーーーー
森の中に入っていくランベルとリリアンは周りが暗くなってきたのを感じる。どことなく寒さも感じてくる。
「どこまで行くんですか?いくら何でも朱炎様に怒られてしまいます」
「大丈夫ですよ、すぐそこなので」
ランベルは岩場を簡単に降りていく。進み方がどことなく歩きなれているような気がする。初めて歩くリリアンは岩を踏み外し転んでしまう。それをランベルは抱き寄せて助けてくれる。その瞬間、ランベルの身体が冷たく感じる。人間の体は暖かいはずなのにとリリアンは思ってしまう。
リリアンはランベルを見ると寂しそうな顔をしている。その顔はどことなく、こうなることを分かっていたことが理解したようにも感じる。
「大丈夫ですか…?もう見えているので頑張ってください」
ランベルはリリアンの手を引いて綺麗な言葉が彫られた墓石のような石が置いてある。言葉的に、『慰霊碑』と書かれているような気がする。なぜこのような場所に連れてこられたのか分からない。
その隣には人ひとりが入れそうな小屋がある。ランベルはその扉を開けると少しだけ生臭い臭いが立ち込める。彼はその中に入るとある兜を持ってくる。
「これは、雷の攻撃を無効化させるものです。これを持っていけば、何とかなるでしょう」
「これを…私に渡すために連れてきたのですか????それとも、私を殺すためでしょうか??」
リリアンは周りにいる異様な気配に目線が向く。彼らは
ランベルは周りを見て大剣を取り出す。するとリリアンの周りに集まる
「逃げろ!!!!!こいつらは俺に任せろ!!!!」
ランベルは持っていたボーガンを使って
リリアンはその隙に岩場を登り、朱炎たちの元まで走る。彼らと会うことができれば、彼も助ける手立てもあるはず。
「ねぇ、アルディン…。あの人は…」
「………」
「アルディン?」
彼に触れた時、確かに冷たかった。リリアンの返答に応えようとしないアルディンは何かを考えている。リリアンは違和感を感じているが、今はそのことより朱炎たちの元へ戻ること。リリアンは必死に走ると突然龍の鳴く声が聞こえ、上空から雷鳴が鳴りだす。
「急にどうして⁈」
「先ほどの
「急ごう!!!!」
リリアンは死に物狂いで先ほどいた場所に走り続ける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます