第一星 僕の可愛い専属メイド

 現在はまだ余裕があるので投稿します!


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 午前4時に起きて着替えなどを済ませたら、訓練場を10周と素振りを100回。それが終わったらトレーニングをして、6時になったら朝食をとる。


 これが毎日の朝の流れだ。スケールは違うが、生まれた頃から同じようなことをしている。


 ……いつもは朝食をとり終わったらトレーニングをするのだが、今日は違う。僕に愚かにも模擬戦を挑んできた者がいるらしいので、それの相手をするのが今日の予定だ。


 今まで僕に挑んできた者は、全員完膚なきまでに叩きのめした。10歳くらいの少年が挑んできた時は少し加減を間違えてしまい、壊してしまった。まあ、しょうがないことだろう。2歳児に挑んでくる方が間違っているのだ。


 さて、今回の相手はどんな者だろうか?ある程度の強さがなかったら壊れてしまうので弱い人でないことを願おう。


 そんなことを考えながら白く長い廊下を歩きつつ、いつも近くにいる専属メイド(僕と同じ歳)に声をかける。


「おはよう、玲奈れいな。今日は模擬戦をするのに相応ふさわしい天気だな」


「おはようございます、ご主人様。おっしゃる通り素晴らしいお天気ですね」


 メイドの名前は白銀玲奈しろがねれいな。灰色の長い髪に青色の大きく美しい瞳が特徴的な5歳児だ。


 挨拶を済ませたので本題に入る。


「ところで玲奈、君なら今日の模擬戦の相手が誰だか知っているだろう?情報を教えてほしい」


 戦いはもう始まっている。情報を得るのは戦いにおいて重要なことだ。


「承知いたしました。今回の対戦相手は、の分家の三男である天日陽翔様です。使用される剣術は天日流剣術となっております。特殊技能スキルについてはまだまだ使いこなすことができないため、心配する必要はございません。また、今までの対戦相手よりも強い方なので、ほんの僅かながらでも満足感を得ることができる可能性がございます」


 玲奈は流石だな。父上が認める理由もわかる……とは言っても、1歳の頃からの付き合いなので実力は十分把握しているが。


「今回はどんな感じで戦おうかな……」


 相手は攻撃が得意な天日家だ。序盤ですぐに下しては面白くない。……そうだ、前半でどの程度の実力か判断して後半に下すことにしよう。


「玲奈、今回の試合は前半に天日がどの程度の実力か判断し、後半に下すことにした。試合中はいつも通りに行動してくれ。あとは本日の予定を教えてほしい」


「承知いたしました。では、本日の予定についてお知らせ申し上げます。午前9時からは模擬戦、午後1時からはご家族との交流戦がございます。また、午後6時にはご家族と共に夕食をいただくことになっております」


 久しぶりに父上や母上、姉上達と交流できるのは嬉しい。早く午後になってほしいくらいだ。


 それから玲奈と会話をしながら歩いていき、屋敷の玄関から敷地に出る。目的地である駐車場は右の方にあるのでそこまで移動する。ちなみに、この駐車場には車やバイクなどの乗物が合計で数百台ある。


 僕はバイクコーナーの手前の方にある小さくて美しい黒いバイク(二人乗り可能)を運び出し、シートにまたがる。


「玲奈、後ろの方に座れ」


 僕がそう言うと、何故か玲奈は少し頬を赤く染めると狼狽うろたえた。


「い、いつものように個別でお乗りにならないのですか!?」


「そうだよ。今日は玲奈と一緒に乗りたい気分なんだ。……もしかして、一緒に乗るのは嫌かい?それならいつも通りに――」


「別に嫌ではありません!――ただ、心の準備ができていなかったから……」


 後半の方は声がとても小さくなっていたけど、何とか聞こえた。


 僕の運転が不安だから素が出るくらいに狼狽えたのか?だが、僕はしっかりと運転できているはずだ。。玲奈は僕が運転している様子をチラチラと見ていたから、しっかりと運転できることを知っているだろうしな。


「……狼狽える玲奈も可愛いな。いつもとは違った可愛さがある」


 おっと、独り言が漏れてしまった。ただ本人には聞かれていないのは幸いだ。


 ……改めて見るとすごい美少女なのがわかる(まだ5歳だが)。小さくて整っている顔にくりっとした澄んでいる青い瞳、そして美しい艶がある灰色のサラサラな髪に雪のように白い肌。


 要するに、とてつもなく可愛いということだ。

 まさに「絶世の美少女」である。玲奈を一目見ただけで8、9割の男子は恋に落ちるだろう。


 告白やらで学生生活を送るのが大変そうだ。


 そんなことを考えていると、玲奈がキリッとした表情(まだ頬が赤い)をして僕の後ろに座る。


 後ろからフローラルな香りが漂ってきて気分が落ち着かない。


「あの……ご主人様、まだ出発しないのですか?」


 ……はっ!玲奈に気を取られている場合ではなかった。何かに気を取られている状態で運転しては事故が……起きないが、危ないことには変わりない。


「今から出発する。安全運転で行くぞ」


 何故ゆっくりと安全運転をするのかって?理由は幾つかあるが、強いて言うなら玲奈とな――ではなく、玲奈が怪我をしたら困るからだ。僕はともかく、玲奈が怪我をしたら色々と支障が出るからな。


 心の中で言い訳をしつつ運転をする。当然、僕も玲奈も免許は持っている。


 段々と模擬戦を行う会場へ近づいてきた。玲奈とバイクに乗る時間も刻一刻と終わりに近づいてくる。


 ――さて、気を引き締めて戦うとしよう。僕が天日に負けることはないが、玲奈が見ている前でかっこ悪い姿は見せられないからな。




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 近況ノートに、星月柊の専属メイドである美少女の「白銀玲奈」のイメージ画像を載せました!

 URLを貼っておくので、是非見てください!

 https://kakuyomu.jp/users/nulla/news/16817330662233685412


〈追記〉

 サブタイトルを変更いたしました。

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