第37話独居老人介護

 因みに僕の母親は昭和9年生まれの88歳。

鹿児島県から神戸市へ嫁入りしたと言っていた。 

 要支援2から要介護2になった独居老人。

兎に角家の中で良く転倒していたので、一人で出歩くと何時外出先で転倒するかと思うとおちおち要介護2の障がい者なんかやってられない。

 そこで、1案を講じ僕のリハビリで良くお世話になった兵庫医科大篠山医療センターに頼る事にした。

 60日間のリハビリ入院で母親の足腰を鍛え上げ、マトモに歩けるようにしてもらいたい。それが叶わぬならばせめて杖歩行でも出来たら良いと思いリハビリ入院してもらった所、母が退院の日迎えに行った僕の眼を疑う鮮烈な光景に出くわす事になるとは、思いも寄らない副産物とでも言おうかシャキーン!と背筋が延びて杖を突いているが、歩ける母親が僕の眼の前に立っている! 

「マジで!?歩けとうやん!凄いなアンタ。」開口一番、口を突いて出たのがこれだった。

 これで家の中で自炊も出来るし、こけなくても済む。

と、思ったのも束の間、元気になった分、買い物や銀行や病院やとやたら外へ出たがる。

 僕の妻は僕の代わりに生活費を稼ぐ為に労働しているから母が転倒して怪我で病院に居ると連絡を入れても帰って来れない兵庫県外まで通勤しているので即効性が無い為、チマチマと移動されては大変困るのだ。

 だから買い物に行かなくても良いように宅配弁当を申し込んでもらった。

幸い認知認定をされていないので、後はごみ捨てだけで、親切なケアマネージャーの提案で神戸市のひまわり回収制度を紹介してもらって、そこに申し込んだ次第だ。

 今後神戸市の担当者と面談が有り契約を交わしたらサービスが始まる。

片麻痺の僕でも年老いた親の面倒が観れると、証明したい。

 圏外からの指示に尽きるが「どうしたらいいの?」とオロオロするばかりでなく頭を使って果敢に命の生業に挑んで観てはどうか?と、思う。

 妻は遠方へ通勤するのに朝5時半に起床して犬四匹の散歩をし、帰ったら僕と娘の朝食を用意してくれて僕が犬におやつをあげている間に犬のケージを掃除する。

 それが済んだら僕が犬をケージに入れるからだ。

その隙に娘を叩き起こして朝食を採らせる。お母さんと一緒を観ると目覚めるのが不思議だ・・・。

 朝は戦争の様なので僕は妻を起す為に5時に起床してトレーニングを終えてから妻を起すのだが、それよりも妻自身はハードな朝を過ごしていると言える。

 僕が早朝にトレーニングを行いフロアの掃除をして、火曜日・金曜日にポラリスへ通所しても片や僕の代わりに家計を支える為、毎朝電車に揺られている。

 日々の疲れ度合いが段違いのストレス割合が偏る。

僕はポラリスへ通所すればストレス解消になるし、それに通勤に伴うトラブル回避にポラリスは一役買っている。

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