第8話彼女がくれた閃き!

杖なしの方が両足はフリーなので麻痺足が楽な方へ調子を合わせられるから楽だった。

「屋外歩行の方が、麻痺側は自由だから改善が遅いんです。だからトレッドミルの方が有効なんです。」意味が分かるし、説得力がある。

 衝撃的だった!子供の様にPウォークを毛嫌いするんじゃなかった・・・。

僕の持論が覆されて、杖無し歩行の方が早く歩けるし麻痺側が鍛えられるから改善も早いという理論だったが、こうキッパリとエビデンスをつきられては閉口せざるを得なかった。

 しかし悔しくは無かった。次のPウォークに想いを馳せていたから。

そうか! と、ある一種の閃きというやつだ!たまにある。

 一点に集中してそれを突き詰めた時!眼前の視界が、開けるようにパッと明るい閃光に似た刺激が脳を走る!それはリハビリの時も、小説の執筆の時でも変わらず症状は一緒だった。

 彼女は時々、何気なくこんな刺激を与えてくれた。

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