第7話Pウォーク(ポラリスウォーク)は、麻痺脚に有効だ!
Pウォークで歩いた方が麻痺側の改善に有効なんです。」なるほどと思いながら大体15分以上歩く自分を想像してみた。
でも15分も歩けばマスク内は蒸れて暑く呼吸がし難いんですよね・・・。
コロナ禍ならではの不要な考えが過ぎる・・・。
両手が健在ならば歩行中にマスクの着脱は容易だが僕はトレッドミルのバーを右手できつく持ち麻痺の左手は肩の高さに上がるものの頑なに肘や手首が自由に動かない左手を口許まで持って行けないし、右手で身体を支えながらの歩行はマスク着脱に無理があって、事前にマスク着脱を促してくれる須崎八代さん(仮称)が居てくれるので彼女がPウォークを案内の時は呼吸が苦しくなかった。
ポラリスでは、トレッドミルをP(ポラリス)ウォークと呼んでいた。
「何故有効ですか?」と聞いたら歩行担当のナースが、「マシンは連続して勝手に動くでしょう?容赦なく。」左の麻痺側から僕の顔を見上げていた。
ノルディックを持ちながら右手でマスクを引っ張り外気を入れる。
まだ症状固定では無い? 麻痺側の改善を伸ばそうとしている? ならば頑張れる!
彼女が諦めないなら僕は頑張るのみ。
急性期から回復期の絶望が渦巻く最中、ネットサーフィンで検索し続けていた。
再生医療についてだが、もう臨床実験済みの余り特効性がないサイトが目立ち、もうひたすらリハビリを続けるしかないよ!といわれている気がしていた。
だから要介護4→車椅子→四点杖→一本杖→要介護3→独歩、要介護2。
まで漕ぎ着けた。
山口南町は花ほころび雲雀のホバリングが始まったが、やがてそれも終わり春雷が人知れず終わって季節は移ろい桜が散っていた。
刹那、二人の間隙を包むように乾いた緑風が駆け抜ける。
彼女の前髪がサラサラと捲れ上がって白い額が清潔で何とも涼しげな顔立ちだった。
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