第5話
朝倉家滅亡後、浅井家も滅亡した。
とりあえず、歴史通りだ。
まだまだ乱世は続くけど、俺は、帰国を許された。数年間の連戦で、兵士も疲れているしね。
恩賞をたんまりと渡す。
「皆、ごくろうだったのね~! 連戦連勝! 感謝しかないのよ~」
「一生ついて行きます! 信盛さま!」
ここで思い出した。
【19ヶ条の折檻状】――だ。
一人になって、考える。
「水野家……。小河・刈屋と山崎の地を家臣に任せるか~」
与力だけだと、怒られたんだっけ。
そうだな~。加増も受けたし、家臣を増やすか。
在野の浪人を探すことにした。まるで、シミュレーションゲームだよ。
◇
その後も、各地を転戦して行く。
一向一揆の鎮圧だな~。こいつら、面倒なんだよな。殺しちゃうと、収入減るけど、無視もできない。
もうね、織田領のいたるところで一揆が起こるから、転戦だよ。
俺が近づくと、一揆は収まって、農民のふりするし。
長島一向一揆に越前一向一揆を平定する。殲滅戦って嫌なのね~。後味が悪いよ。
「問題は、石山本願寺だな~。頭を潰さないと、終わらないよね」
「ほう? 信盛もそう考えるか……」
独り言を、お館様に聞かれてしまった。
「もしかして、石山本願寺の攻略っすか? 今から?」
「うむ、逝って来い。骨は拾ってやる」
こうして、大阪に向かうことになった。石山本願寺包囲戦だな~。
道中で考える。
『丸4年かかるんだよな~。それに毛利水軍だ。海上輸送をどうにかしないと、兵糧攻めもできないし~。それと、天王寺砦の戦いは、起きそうにないな。俺の知る歴史とは、大分異なる点が多い……』
お館様、自らの出陣はなさそうだ。一乗谷でもそうだったけど、総大将が最前線に立つのってどうかと思う。
まあ、信頼はされていると思おう。
気の重い出発になってしまったけど、兵士を連れて向かうことにした。
本願寺に着くと、付城が多く見られた。陸上は、包囲が完成してんだな~。
さて考える。
「ここは、時代を先取りだよね~」
まず、大砲が欲しい。それと、連射銃だ。
西欧の戦争は、アームストロング砲とかカルバリン砲、ガトリングガンが勝敗を決めるんだよね~。秀吉さんは、『戦は数だ』って言ったけど、もうそんな時代じゃないはずだ。
「さて、南蛮の商人を探すか……」
「おー、あった、あった」
堺で、大砲を見つけた。今の日本人には、価値が分からないはずだけど、売りに来る人もいるんだな~。
お館様は、三門買うはずだ。
俺は、その前に購入できそうだ。
「キャン ユー スピーク イングリッシュ?」
「イングリッシュ オーケー」
中学生レベルの英語だけど、通じそうだ。値段交渉に入る。
……高けーよ! どんだけ、ぼったくるつもりだよ!
城が建てられる金額じゃん。
「もういい!」
とりあえず、買わなかった。
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