第33話 神と人、輪廻転生、最強vs主人公
神崎の覚醒が終わった。
試合は後半が始まったばかり、斎賀高校の抵抗もここまでだろう。
毛利も神崎と共に覚醒が終了、一気に反撃を食らうこととなるが、『力』と『知』の戦いに、覚醒などさして意味はない。
戦える人材がいるなら、力だけでは敵わない。
「覚醒が終了したか………しかし、『知』でここまで抗ってくるとは、この俺が初めて『安心』を感じさせられた。退屈になるが、さっさと終わらせてもらう。」
神が一気に勝負を決めようとするも斎賀高校の抵抗は変わらない。
「馬鹿な!!? この俺の動きがまだ見えているのか!!?」
そう、知略で攻略された力では、敵が力を失おうとも、『術』が残されている。
「なるほど、これが力に溺れたものの末路ですか、だが、ほんの一部しか力を出していないが、お前らに、この男が倒せるか?」
神はそう言って術を唱えた。
そして、気を失えば、彼の死を知ることになる。
「まさか、本当に蘇るとは………時間が限られている。始めようか………」
神が混元一気の構えを取る。
「そ、その構えは!!?」
輪廻転生、人が生まれ変わり、魂が受け継がれる現象、魂の継承をしたということは、やはり、もう彼はここに居ない。
「まさか、お前は………!!?」
他界した人間は成仏せねばならない。
「………いい身体だ………元の身体は衰弱しすぎていた。俺の真の力を確かめさせてもらおう………成仏するまでに………」
本人も理解している様子であった。
「さて、この体で、俺の力を試させてくれ………」
無限と完璧、限り無しと満点、無尽蔵と絶対、神崎が彼のために答える訳でもなく、己を試したいものは多い。
「いや、私が戦います!!」
あの毛利が名乗り出た。
策ではなく、真剣勝負に軍師が前に出る。
「いや、違う………主将の俺がやる!!」
斎賀高校を超えるために、挑戦したい者が多い。
神崎がインフィニティ・シャッフルを仕掛ければ、パーフェクト・コントロールで神崎の無限を完璧に支配する。
互いの攻防が先を行けば、限りない攻めと完璧な対処が熾烈を極める。
「どうした? 無限の攻めはこんなものなのか?」
上杉 芯の魂が脳を一段階開放させる。
いくら無限でも、神崎の体には限界がある。
脳の処理が向上した芯の魂にとって、敵ではない。
「今だけ応えろ!! ◯◯◯◯◯◯!!」
神に匹敵する力を開放すれば、芯の魂も切り札を切る。
「流水奥義・○○○○!!」
芯の魂が
互いの技が激しくぶつかり合う。
「ぐわぁッ!!?」
芯の魂が神崎を超える。
「なるほど、これが万全の体による力か………」
そう、上杉本人の体なら、神崎といい勝負をしただろう。
しかし、その体は神の体、神崎に勝ち目はない。
「ふん、やはり、借り物の体だな。人の世が愚かでなければ、俺がこの世の真理も数学で証明しただろう………税金に群がるゴミや弱者の足手まといであるヤクザ、そういったゴミが子供を作らず、できた人間から生まれれば………神も愚かなことをとは言わない………猿みたいな人間が上に上がる楽しか知らん愚かな人間の時代に生まれなければ………あばよ………」
そういって成仏を彼は選んだ。
「ふふふ、さて、次はどの魂を呼んでやろうか? 斎賀高校に超人と戦った存在も居たが、奴を呼んでもこの体は雷に打たれては居ない。強くなるか弱くなるか、確かめるのも一興か?」
神は再び楽しむ余裕を取り戻した。
「そろそろ始めようか、50%の力を見せてやろう!!」
神が仲間の四人に4つの魂を憑依させた。
一人は芯、一人は氷川 翔、もう一人は浅井 勇気、最後の一人は御堂、早速、御堂が『邪眼』の力を発揮してくる。
「こ、この眼力は!!? ほ、本物!!?」
最終決戦は真・斎賀高校と旧・斎賀高校、残り時間は最終クォーターへと突入する。
「くッ!!? なんて重い魂なんだ!!?」
御堂の魂が異常に重く、神が手こずっている。
「俺の魂は重い。俺は魂を極めて神の如く戦った。他の魂ほど安くはない。俺が味方で安心だな。斎賀高校………俺は霊体でもう少し、妹を見守ることにする。さらば、武運を祈っておこう。」
御堂は邪眼を癒やしの瞳に変えて幽体離脱して消えた。
しかし、一人消えただけで、他の霊は牙を剥く、その魂に自我はない。
「御堂はダメだったが、他の霊は俺に従う。はじめようか………」
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