第31話 神の数式、これが知略です………

 数学の世界にも神は存在するが、神を数式で表したものは存在しない。


 数学とは何なのか、ある数学の天才児が王の前で、こう答える。


「1とは1を表すことのできないものです。」


 そう、それが文学的表現だ。


 この表現の意味を理解できる文学者は、そう居ないかも知れない。


 どれだけの真実を述べたとしても、人は理解することができない。


 そして、その意味を理解しきれるものでもない。


 有名な天才はラマヌジャン、いや、盗作して成り上がった無能、『アインシュタイン』かも知れない。


 しかし、数学者は太古の時代から存在する。


 遡れば、ラマヌジャンをも超える数学者は存在する。


 気になる数式が存在する。

















「詰まり、神を表す式が以上です。そして、やつを表す式は………」


 毛利が耳元で説明する。


「なるほど、良くわからんが、俺がそのように動けばいいんだな?」


 神崎が確認すれば、毛利が頷く。


「後は頼みましたよ。私が命を賭けるのは、これが初めてです。『超次元』!!」


 毛利の次元は人のレベルであり、己の肉体が損失してない故に、損失してる相手からは異次元を移動しているように感じ取れる。


 しかし、神のレジェンズは肉体を損傷せず鍛え抜いた。


 故に、毛利の次元移動は神に取って、同レベル、同じである。


「まさか、知力で生き抜いてきた私が、人間の限界を超えなければならないとは………その代償は斎賀高校の勝利で支払ってもらいますよ?」


 神がドリブルをしようとすれば、すでに毛利がボールを奪い取っている。


「無駄だ。」


 しかし、神が指をパチンと鳴らせば、ボールは取られていた。


「無駄かどうかは俺達が決める。」


 神崎も指を鳴らせば、ボールは神崎の手の中であった。


「見えた!!?」


 そう、なぜ、指を鳴らせば、ボールが奪えたのか、その『カラクリ』は単純だ。









「ほぉ、神のカラクリを見破ったか、だが、これは知力でどうにかできる代物とは思えんが………」


 そう、そのカラクリ通り、それは、神が力の3%も出していない証拠である。


 神崎が点を奪い取れば、神も奪い返す。


「クッ!!?」


 神崎が頭を抱えて苦しみ始める。


 そろそろ◯◯◯◯◯◯が切れるのであろう。


 もし、上杉 芯が居れば、神の数式を教えて、そこに『流水の罠』を仕掛けるだけでいい。


 しかし、神崎や毛利には、それができない。


「そうだ。貴様ら斎賀高校に勝ち目はない。」


 神は断言する。


 だが、それを毛利は可能とした。


―――ゴツッ!!


 神がドリブルをしたとき、ボールがなにかにぶつかった。


「なに!!?」


 驚いた神を見て、毛利が言う。


「あぁ、確かに、上杉 芯なら可能でしょう。ですが、数学の世界では、それが可能ですではなく、その『理想』は『現実的』に『可能』である。」


 そう、神の偉業に仮説式をたてて、立証する。


 その仮説式は、理想だけのものではない。


 研究者には、嘘の論文を残すゴミもいる。


 世の中、口先だけで生きている猿どももいる。


 文学だけで生きてる恥知らずなエロオタク共もいる。


「………毛利、何をした?」


 毛利の巧妙な策に、神が問う。


 これを聞いて毛利はこう答えた。


「これが、『知略』です………」

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