第26話 神業・究極の◯◯◯ヂシュート
神業のレジェンズがシュートをしようとする。
しかし、すでにボールはゴールを通過していた。
「き、決まった~~~!!? い、一体いつの間にシュートをしたのでしょうか!!?」
このシュートに驚くものは多いが、このシュートの存在は誰も知らない。
そう、なぜなら、このシュートはストリートで生み出された代物、公式の猿どもがストリートをバカにして己のプロである尊厳を守ることに意地を張ってる間、彼らは仕事をしながら、バスケのプロを超えている。
ヤクザやバカがわがままでなりたいと願ってプロになったとしても、所詮、クズはクズ、自惚れるだけ、そう、この究極のシュートこそ、バスケのプロ選手共でも止めることができない、いや、反応することもできないシュートだ。
「あ、あのシュートは………!!?」
しかし、このシュートの正体を一人の男は知っていた。
そう、毛利である。
「◯◯◯ヂシュート………このシュートも今では知る人ぞ知るシュートです。このシュートが打てるということは………う、上杉 芯が居なければ止めることはできないでしょう………彼のディフェンス技術と脳を100%使えれば、なんとかなったかもしれない………我々では、どうすることもできない!!?」
「何!!? だ、ダメだフェイクなのか、◯◯◯ヂシュートなのかもわからない!!?」
「だが、この俺の目を持ってとすれば、無限の先まで止まって見切れるはず、どうした………打ってこい………」
しかし、この究極のシュートは例え、背を向けていようとも、リングを見ないでパスのようにボールを放り投げたとしても、すべてがシュートとなる。
背を向けて横にパスをしたように見せかけるが、パスする前からボールは体に隠れてシュートの軌道に乗っていた。
手だけは横に動いている。
シュートする動作も許されないが、その刹那の時間に異常な技量が隠れている。
また、ロバートの死角をボールが飛んでいた。
視界は神業のレジェンズによる体で隠されていたのだ。
「ゴール!!! あのロバートの目でも確認することはできないのか!!?」
斎賀高校のロバートも零も忍術ですら、技を出す前に決着がついている。
瞬足もインフィニティも仕掛ける前に、彼がボールを持ったときから斎賀高校のディフェンスは終わっているということだ。
更に、神崎のインフィニティ・シャッフルでさえも神業のレジェンズは余裕を見せる。
「片手で相手してやろう。かかってこい………」
なんと、利き腕を背中に隠してしまう。
左手だけで無限の技量を見せつけてくる。
そして、究極のシュートを持つように、無限を用いるまでもなく、神崎がボールを持った瞬間、決着はついていた。
「―――い、いつの間にボールが!!?」
神業のレジェンズがため息を付く。
「………はぁ…」
彼の溜め息に斎賀高校が激怒した。
「舐めるなよ!!」
激怒したと同時にシュートを決められてしまったことに遅れて気が付く。
「はっきりわかるよううに言おうか、退屈だから帰っていいか?」
その言葉に神崎も理解し始めてしまう。
この男にはどう足掻いても勝てない。
いや、手も足も出せずに負けるということ、実力差がありすぎる。
「お前がアルに無限の攻略法を教え込んだのは、この俺を恐れたからじゃなかったのか………!!?」
そう、何も知らない神崎は、神業のレジェンズが俺を恐れているなどと思い違いをして激情していた。
しかし、彼からはこんな返答が返ってくる。
「ただ、お遊びにいたずらしてみただけかな?」
そう、どうでもよかったのだ。
ただ、ちょっといたずらして遊んでみただけ、神崎の驚くかをが見たかった。
それだけに過ぎない。
「結構驚いたかな? あの顔はちょっとおもしろかったよ。それだけ見て帰ったかな? まぁ、でも、『上杉 芯』が居ないのが残念かな?」
どいつもこいつも芯の名前しか口にしない。
ロバートもそうだった。
そのロバートですらも神業のレジェンズには何も言えない。
「ロバート君だっけ? 君が上杉 芯に変わって斎賀高校を優勝させるだっけ? させて見せてほしいな? この僕を本気にさせてよ!!」
一瞬見せる両手から繰り出される2つの無限、気がつけばダンクシュートを決められていた。
「僕を倒すのに神崎が二人いればいいだって? 大きな勘違いだよ。」
上杉 芯は2人の流水を攻略した。
しかし、神業のレジェンズは無限を両手で描くが、それすらも凌駕していた。
上杉 芯が見せてくれた奇策は波を感じることができたために、用いれた策だが、神業のレジェンズはそれを許さない。
「策ならあります………」
もう、斎賀高校に活路は存在しない。
そう思われた矢先に、毛利が一計を思いつく。
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