第12話
「すぅすぅすぅ」
僕は僕の隣で寝ているクレアの頭を撫でる。
「寝た、かな?」
僕とクレアは今、安いボロ宿に泊まっていた。
流石に僕らが高い宿に泊まっていたら不自然なので、安いボロ宿に泊まるほかなかったのだ。
ベッドも一つしかないので一緒に寝ている。
僕はクレアが寝ていることを確認してから宿を出る。
昼のうちに目をつけていた怪しい奴らのうち半分がこの町から少し離れたところに集まっていた。
確実に黒であろう。
僕はサクッと転移して件に場所に向かった。
■■■■■
「くそ!」
「逃げないでよ。どうせ死ぬんだから」
僕は逃げ惑うレジスランスの首を跳ね飛ばす。
生暖かい血が僕に返ってくる。
「逃げないでよ……はぁー、正義を執行する」
もはや彼らレジスタンスは僕に挑んでくることはなくただただ逃げ惑うだけである。
命欲しさに逃げているくらいなら最初から逆らわなければいいものを。
「君が最後かな?」
「ひ、ひぃぃぃぃいいいいいい!」
無様に悲鳴を上げレジスタンスの一人の首根っこを掴み、そのままレジスタンスの意思を自分の色に染め上げる。
「レジスタンスについてお前が知っていることを話せ」
僕はいつもの手法で情報を吐き出すのだった。
■■■■■
それからしばし。
「正義を執行する」
知っているすべての情報を聞き出した後、レジスタンスの男を殺した。
「ふー」
大した情報は持ち合わせていなかった。
レジスタンスのメンバーは全員そこそこの気概を持っていて、そこそこの情報を持っていたのだが、どうやら人が増えすぎて雑多な使い捨ての兵が増えたみたい。
雑魚狩りなんて久しぶりにやったよ。
情報を引き出したレジスタンスの男が唯一知っていたアジトの場所に向かい、これと同じ要領で殲滅、情報の引き出し。
それを淡々とこなしていく。
それが僕の仕事だ。
あ、こいつ新しい情報持ってないんだけど……今日は終わりかな。
僕はクレアが寝ている安いボロ宿に戻るのだった。
■■■■■
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
僕が気持ちよく眠っていると、ゆさゆさと揺さぶれられる。
「ん?んー。何?」
「起きて!朝だよ!」
「んー。わかった。わかったから。起きるから揺さぶるのやめて」
クレアに揺さぶられてちょっと気持ち悪いんだけど……。
「今日は何する!?」
「……お仕事」
「お仕事の前と後!」
「あー、適当でいいよ。クレアの好きなように」
「わかった!早く早く!早く遊ぼ!」
「あー、うん。わかったから。ちょっと待って」
僕の一日はクレアの手によって強制的に始まるのだった
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