第2話サボテンを取りに行こう!
『熱いんだよな〜あそこ』
終焉の世界ではそのほとんどが砂漠や枯れた大地でできている
緑は無いがサボテンなどの細々とした植物や
トカゲなんかの食べられないことも無い動物もいるのだ
『うーんここから見えるのはサボテンくらいか?』
ビミはスラムの町外れに住んでいる
だから周辺の砂漠くらいなら家の中から見えるのだ
『サボテンだけか…調味料ならあるんだけどなぁ』
スラムには「麻薬改良調味剤」と言われる
麻薬の成分の調整で調味料の味になっているものがある
これはスラムなら容易く交換できるものだ
食べ物1つである程度の量なら交換できる
『サボテンだけ…あれならいけるか?うーん
まっやってみるか』
そう言ってビニは外に出ようとする
だがひとつビニとって深刻な悩みがあった
『あのガキどもはどうするかな〜
もうスルーしかないのだろうかな〜』
ガチャ
ビミがそこに出るとビミにとっての当たり前の景色が広がっていた
「このスラムからでていけ!!」
「貴様はこのスラムには不必要だ!」
ワイワイガヤガヤ
『はぁーもうわかってくれませんかね?
「鴉」は了承のもと私を「救ってくれた」のですが…』
「そんなわけが無い!!「鴉」様は貴様なぞに手を貸すようなお人では無い!!」
『話が通じないな…はぁもういいですか?私は砂漠に行くので』
「ちょっと待て!!」
「逃げるのか??」
ワイワイガヤガヤ
『はぁ』
バッ!
めんどくさくなったビミは砂漠へと駆け出した
『ほんとに暇なのかな「鴉の日」の連中は』
『あの人はほんとに私を救ってくれたんだ…
そのことは事実だと言うのに…』
鴉の日とは…「鴉」という教祖を元に作られた
宗教団体である
鴉を崇め、鴉に従うことを快楽としていた
だが鴉は1年前に失踪した
『鴉の日はめんどうだなぁ まぁ今はサボテンだ! あいつらのことは後回しさ!』
…………………………
ちょっとした後……
『サボテンあったなぁえっとぉ3本ね 十分だね!』
ビミの手にはサボテンが3本
『うーん…あの鴉の日がいるとおりめんどくさいな…あいつに通してもらおうかな…』
ビミはスラムとは別の方向に走り出した
………………………………………………
そしてビミが着いたのは砂漠の中にぽつんとある一軒屋
『じいさんいるか〜??』
[なんだ?ってビミかいな、また道をつかうのか?]
そこにいたのは1人の老人だった
名前はカラシという
この人も寄り付かないような一軒屋で調味料やら動物の人工肉なんかの売り買いをしている
『それもあるけどついでに肉をくれないか
1kくらいでいいんだが』
[そのくらいならあるぞ、ほれ1000ダリグだ]
ダリグはこの世界の硬貨だ
『ほい、これでいいかい?道を使わせて貰うよ』
[おぉ通りな]
一軒屋の隣にはカラシが作った非常用の地下道がある
ビミの家というかカラシは非合法でここに世界中への道を作っていた
ガチャ
『ここは臭いんだよなぁそれに長い』
[文句を言うでない!]
『へ?なんでじいさんの声が?』
[新しくスピーカー?というものをつけたのじゃよ]
『ほーそりゃ便利だね』
[そーじゃろそーじゃろ……ところでビミ
「あの事」は吹っ切れたのか?]
『問題ないよ、大丈夫さ』
[ならいいんじゃがな…鴉の日には気をつけろよ]
『わかったわかったもうじいさんは心配症だな』
そう言ってビミは地下道を進む
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