第134話 オリハルコンを探せ

※※※


もうすぐクリスマス。いつまでもクリスマスプレゼントがほしい作者は考えました。

与えて欲しければ先に与えるのだ・・・と。

という事で、25日まで一日3話投稿します。12時、16時、20時投稿です。

プレゼントは☆☆☆が・・・おっと心の声が・・・

お楽しみくださいませ。」


※※※


ギルドマスターからの依頼を受け、カイン達はオリハルコンを見つける為、黄亀ダンジョンの地下31階に来ていた。


「カインよかったのかにゃ?依頼を受けて?ジェーンに迷惑かけるかもにゃ。」


「大丈夫だろ?バカ皇子がアクセサリーを持ってきた所でジェーンが断れば済む話だし。それにゴールドスライムは、エクストラステージの条件かもしれない。モリーさんの話を聞いた時そんな気がしたんだ。」  


「エクストラステージっすか?」


「ああ。この黄亀ダンジョンはすでに攻略されてる。だけど、他のダンジョンと同じようにエクストラステージの情報は全くない。まあ挑戦したヤツが隠してるって可能性もあるけど、普通にはいけない所だ。ゴールドスライムを倒すのが条件って言うのはあり得ると思って。」


「なるほどにゃ。確かに可能性はありそうにゃ。」


「だろ?それに単純に金貨500枚も魅力だしな。見つけるのは苦労するかもしれないけど、やる事は地下31階から地下39階を魔物を倒しながら移動してゴールドスライムを見つけるだけだ。レベルも上がるしお金も稼げる。やる事はいつもと変わらないだろ?」


「そうっすね。僕も身体を自由に変形できるようになったっすからゴールドスライムを見つけたら僕が逃げられる前に捕まえるっす。」


と意気込んでは見たもののの・・・


「全く見つからないな。」


何日も使って、何往復もするものの、ゴールドスライムは一向に見つからなかった。銀色のシルバースライムは一日に一体は見つけるものの、金色のスライムは倒す倒さないの話の前に見る事すら出来なかったのだ。


「本当にいるのかにゃ?」


「そうだな。情報も全くないし探す範囲も広すぎるよな。」


「他の冒険者に話を聞いたっすけど、見た事ある冒険者はいなかったすよ。」


「そうにゃ。アタシも成果なかったにゃ。」


ラックはその愛嬌から、スズはその見た目から、他の冒険者からけっこう可愛がられていた。


「だよな〜。まあすぐに見つかるとは思ってはなかったけど、こう何も収穫がないと心が折れてくるよな。」


(まあ銀色スライムも結構倒してるしレベルは上がってるから収穫はゼロではないけど。そもそも地下31階から地下39階っていうのもどうなんだろ?他の階にいたら完全無駄足だぞ?見つからないなら誘き寄せたりできたらいいんだけど・・・)


「おっ銀色スライムにゃ。」


「ん?又か。よし逃げ道を塞ぐぞ。」


「カイン様、僕に任せるっす。」


スズはそう言うと、銀色スライムに向かった。


「逃げ道はないっす。覚悟するっす。ゴールドスライムじゃなかったっすけど、シルバースライムもレアには間違いないっす。僕の成長の為に大人しくやられるっすよ。」


「ゴールドスライム?ゴルちゃんの事〜?」


「ん?今君が喋ったっすか?」


「もちろんだよ。でもおかしな事言うね〜。あなたもスライムでしょ〜?同族なんだし〜。話すぐらいできるでしょ〜。」


「なっ!?ちょっと待つっす。」


スズと銀色スライムは向き合ったまま動かない。どうしたもんだとカインとラックが伺っていると、スズがカインの元に戻ってきた。


「カイン様、ラック様。今銀色スライムに話しかけられました。どうやらゴールドスライムの事知ってるらしいっす。」


「本当かにゃ?なら、どこにいるか聞いてほしいにゃ。」


(まじか・・・たしかにスズはスライムだし、スライム同士で会話ができても不思議じゃない。失念してたな。魔物にゴールドスライムの場所を聞くなんて思いもしなかった。スズのおかげだな。)


「そうだな。スズ、やれるか?」


「任せるっす。」


そうして、スズは再度、銀色スライムに向かいあった。


「お待たせしたっす。スズ達は今、ゴールドスライムを探してるっす。どこにいるか知らないっすか?」


「ゴルちゃんの場所〜。もちろん知ってるよ〜。でも君すごいね〜。人間と一緒に行動してるの〜。」


「本当っすか?どこにいるか教えてほしいっす。カイン様は僕を召喚で呼んでくれたっす。それからは一緒に行動してるっす。」


「どうしよっかな〜。でも見逃してくれるならいいよ〜。さすがに〜逃げ道がないのは〜困るし〜。」


「もちろんかまわないっすよ。場所を教えてくれたらカイン様に言って壁を解除してもらうっす。」


「ならいいよ〜。ゴルちゃんは私以上に人見知りだから気をつけてね〜。今は地下32階にいる時思うよ〜。」


「地下32階っすか。さっき通ってきたばかりっす。本当にそこで間違いないっすか?僕達も探したけど見つからなかったっすよ。」


「ゴルちゃんは私達と違って〜、特殊な部屋で引きこもってるからね〜。」


「特殊な部屋っすか?それは気づかなかったっす。」


ゴールドスライムの場所を、スズから聞いたカインは銀色スライムを閉じ込めていた土壁を解除した。


すると、銀色スライムは一目散に逃げていった。


「スズ、良くやった。さあ地下32階に戻ろう。多分隠し部屋があるはずだ。そこにゴールドスライムがいるはずだ。」


「ようやくにゃ。ようやく手掛かりが掴めたにゃ。それに隠し部屋にゃ。ロマンにゃ。早速向かうにゃ。」


そうして、ゴールドスライムの情報を得たカイン達は地下32階へと向かうのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る