第135話 ゴールドスライム
「さあゴールドスライムを探すぞ。」
地下34階の銀色スライムから、ゴールドスライムが地下32階の特殊部屋にいる事を聞いたカイン達は地下32階に来ていた。
「どうやって探すにゃ?」
「特殊部屋・・・まあ隠し部屋だろ。例えば壁に見えるけど実際はすり抜ける事ができる。とか。壁の色が違ってて、カラクリ扉になってるとか。壁のボタンを押すと隠し部屋への通路が現れるとかだろうな。」
「おお〜それはすごいにゃ。アタシに任せるにゃ。」
「スズはスライム系の魔物が現れたら話しかけてみてくれ。銀色スライムみたいに会話ができるかもしれない。うまくいけば、どこに隠し部屋があるか教えてくれるかも。」
「わかったっす。」
それからカイン達は、地下32階を調べ始めた。壁を念入りに触ったり、壁に違和感がないかを慎重に調べていく。
出て来るスライム系の魔物には、スズが話しかけたが、会話は成立しなかった。
(現れるスライムに話しかけたら、すぐにゴールドスライムの場所がわかるかと思った期待はずれだったな。てかそもそも話しかけても返事がないとは・・・。単純に警戒してるって言うのもあるだろうけど、知能が足りなくて会話出来ないって可能性もあるか。)
「銀色スライムを探した方が早いか・・・」
見つけようと思うと、見つからないものである。手掛かりを探そうと銀色スライムを探して地下32階を歩き回ったが、銀色スライムは見つからなかった。
ただ・・・
「見つけたにゃ。あそこから別の場所にいけそうにゃ。」
ラックが、隠し部屋への入り口を見つけたのだ。良く見てみると少しだけ周りと壁の色が違うような気がする。
「良く見つけたな。確かに周りと色が違うようだけど、注意深くみないと気づけないレベルだな。」
「アタシにかかったら、こんなのちょちょいのちょいにゃ。」
「ラック様さすがっす。僕は全く役にたたなかったす。」
「まあ、まだ入り口を見つけただけだ。本番はこれからだ。行くぞ。」
壁はすり抜けれるようになっていた。そして進んで行くと、小さな部屋に出た。通路を抜けた先には、金色に輝く小さなスライムがいた。
だが・・・
「誰か来た。退避ーーーー。」
そう言って、目の前の金色は一瞬でいなくなった。そして、カイン達はいつの間にか、隠し部屋の入り口に戻されていた。
「えっ・・・」
「カイン大変にゃ。隠し部屋への通路がなくなってるにゃ。壁がすり抜けられないにゃ。」
「本当だ。しかもさっきまで注意深くみたら違和感ある感じだったのに、違和感もなくなってる。」
(そう言えばギルドマスターも消えるように逃げていくって言ってたな。さて、問題はどこに逃げたかだな。同じ地下32階のどこかに逃げたんであればそれ程苦労はしない。だけど違う階層に逃げたんならちょっとめんどくさいな。)
「まだ近くにいるはずにゃ。アタシがすぐに見つけて来るにゃ。」
「あっ、おい!一人で動くと危ないぞ。」
カインの言葉をよそに、ラックは一人、ダンジョンを進んで行った。
「カイン様・・・」
「とりあえず追いかけようか。」
カインとスズは、ラックの後を追いかけた。しばらくするとラックと合流できたのだか、ゴールドスライムは見つからなかった。
「見つからなかったにゃ。」
「とりあえず今日の所はここで休もう。まだ週の始めだし、時間はあるだろ。それにゴールドスライムを見つける事はできたんだ。同じようにすれば、すぐに見つけれるだろ。」
そうして、その日の探索を終えた。その夜はどうやってゴールドスライムを倒すのか話しあった。
「明日もここで、隠し部屋を探すにゃ?」
「もしかしたら一日立てば、隠し部屋への入り口が復活してるかもしれないっす。」
「たしかにスズの言う可能性もあるな。明日はまずはそれを確認しよう。だけど、その可能性は低いと思う。多分もう隠し部屋は別の場所に移動してると思う。」
「どうするにゃ?」
「まずは、ゴールドスライムを見つけた時と同じように、銀色スライムを探して、スズにどこの階にいるか聞いてもらう。まあ会話が成立するなら銀色スライムじゃなくてもいいけど、他のスライムとの会話は難しいと思ってる。」
「僕に任せるっす。」
「いる場所がわかったら、隠し部屋への入り口を探す。簡単だろ?」
「カイン。見つけても又すぐに逃げられるかもしれないにゃ。」
「ああ。いくつか考えてるけど、逃げなくなるまで何度もアタックするのが一つ。スズを先頭にして、ゴールドスライムと会話を試みるのが一つ。銀色スライムや他のスライムから、ゴールドスライムの攻略法を聞き出すのが一つって感じかな。」
(今の所、思いつくのはこれぐらいだな。どうしても倒せない場合は、先に黄亀ダンジョンを攻略しても良いかもな。エクストラステージの開放条件を満たしてるかわからないから、会えるかわからないけど、スライム林太郎に会えれば、ゴールドスライムの攻略法ぐらいは教えてくれるだろ。)
「わかったにゃ。カインの作戦で行くにゃ。明日はゴールドスライムの討伐にゃ。」
「はい。僕も今度は役立てるようにがんばるっす。」
そうして、カイン達は明日の行動を決め、眠りにつくのだった。
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