第132話 休日のひととき
※※※
もうすぐクリスマス。いつまでもクリスマスプレゼントがほしい作者は考えました。
与えて欲しければ先に与えるのだ・・・と。
という事で、本日から1週間一日3話投稿します。12時、16時、20時投稿です。
プレゼントは☆☆☆が・・・おっと心の声が・・・
お楽しみくださいませ。」
※※※
いつもはジェーンやメアリーとともに休日を過ごしているが、この日カインは一人別行動をしていた。
「偶には一人も良いもんだな。さすがに前みたいにラック達について行ったら延々試着した服の感想を求められて、かも何時間も服屋にいないといけないしな。」
ラックとジェーンとメアリーの3人はショッピングに出かけていた。当然カインも誘われたが、カインは刀のメンテナンスと図書館で調べものがあるからと言ってその誘いを断っていた。
女性のショッピングは無駄に時間が長い。その事を前回ついて行った時に知ったカインはできれば次からは誘いを断ろうと決めていたからだ。
ちなみにスズもスライムなので、ショッピングには興味がない。カインとともに行動するかと思ったが、一人で町を散策するっす。と言って一人で出て行ってしまった。スズはギルドに従魔登録しており、カイン達と一緒にいるのを皆が知っているので、帝都で出歩いてるも問題はなかった・・・だろう。
この時のカインは、そんな感じでスズの事を気軽に考えていた。スズが世にも珍しい白くてしゃべるスライムだと帝都の貴族達の中で噂になっている事など知る由もなかった。もちろん学校に通っているジェーンは知っていたのだが、ジェーンはスズがカインと共に行動していると思っていた。
「とりあえず刀をメンテナンスしてもらって、武器とか防具類を見てみるか。寄付の為にあまりお金を使う訳には行かないけど、命を守る為だから俺とかラックに良い防具があれば買い替えるのもいいかもしれないな。スズには防具なんかは必要ないだろうけど、帽子とかあればいいかもしれないな。まあ帽子被って防御力が上がる意味はよくわからないけど・・・」
休日の度にカインは鍛冶屋に刀のメンテナンスに言っていたので鍛冶屋の店主とはすでに馴染みになっていた。
「おっちゃん、今日もメンテナンスお願い。」
「おおカインか。毎週毎週ホント良く来るな。メンテナンス代だってタダじゃないんんだ。そんな頻繁に来るのはお前ぐらいだぞ。普通は一月に一回メンテナンスすれば良い方なんだがな。」
「それは何度も聞いてるよ。だけど、俺はこの刀を気に入ってるからね。おっちゃんの所には相変わらず刀は入荷してないんだろ?ならこれが使えなくなると俺が困るからね。」
「まあ、それを言われると何も言えないんだがな。普通の剣なら一から打ってやる事もできるんだが、この刀って武器は初めてみたからな。メンテナンスぐらいしかしてやれないのが申し訳ないが、まあまかせておけ。」
「うん。お願い。夕方ぐらいに来たらいい?」
「ああ。毎週してるとそれ程傷んでないからな。今日中にはしておくさ。」
「なら又、夕方取りに来るよ。」
(神の奇跡の解放でもらった刀だからな。予備の刀が欲しい所だけど、どこにいけば手に入るんだろうか?王国にも帝国にもないって・・・。まあこれがラノベの世界なら、東方の島国とかに侍がいるって感じなのかもしれないけど。今日はこの世界の事を調べて見ようかな。黄亀ダンジョンを攻略した後の事とか、ジェーンの留学が終わった後の事とかも徐々に考えて行かないといけないし。どっかに刀は絶対あると思うんだよな~。なんせ米とか味噌に醤油は普通にあるもんな。元々この世界に存在してたのか、俺みたいな転生者が広めたのか?その辺は謎だけど。)
ブツブツと考え事をしながらカインは、一人図書館に行き、日が暮れるまで本を読む情報を集めて行った。
「おっ、もうこんな時間か。夢中で本を読んでたから時間が経つのも早いな。一日本を読んで過ごすなんて前世じゃ考えられなかったな。漫画なら一日中でも読めるけど、活字本で一日過ごす俺ってヤバいな。さて、刀を受け取って家に帰るか。さすがにラック達の買い物も終わってるだろ。」
日が暮れてきたので、カインは急ぎ足で鍛冶屋に向かいメンテナンスの終わった刀を預かる。いつもの日課である教会へのお祈りは外せないので駆け足で教会へ向かい、日課のお祈りを済まし、家へと戻った。
家にはすでにラック達が戻ってきており、購入したであろう服や靴、アクセサリーなどを試着してファッションショーをしていた。
「ただいま。って今日もけっこう買い物してきたんだな。そういえばジェーンでお金とかどうしてるんだ?ラックはまあ冒険者で稼いでるからわかるんだが。」
「おかえりなさい。家から送ってもらってますから大丈夫ですわ。スズちゃんがいないようですけど?」
「ん?帰ってないのか?今日は一日スズとは別行動だったぞ。」
「えっ・・・。スズちゃん、まだ帰ってきてないわ。カインどうしてスズちゃんと別行動したの?スズちゃんって今、貴族達の間でかなり噂になってるのよ。」
「えっどうしてだ?」
「あの癒される可愛さ。つぶらな瞳。そして世にも珍しい白いスライムで、しゃべる事もできるのよ。ああ~どうしましょう。もしかしたら悪い人に捕まってるかもしれませんわ。もしかしてすでに貴族の奴隷にされてるかもしれませんわ。どうしましょ。どうしましょ。」
(スズってそんなに有名だったの?いやまあ珍しいのは認めるけど・・・だけどジェーンそんなに落胆しなくても、スズって従魔だけどテイムしたんじゃなくて、実際は召喚で呼んだ召喚獣なんだ。だから・・・)
あたふたしているジェーン達を見ながら、カインは召喚魔法を使った。
すると・・・
未だに家に戻ってこない、貴重な白いスライム事『スズ』が目の前に現れたのだった。
「スズ?こんな時間までどこにいたんだ?」
「えっ?ここは・・・家っすか?あれ?僕どうしてここにいるっすか?なんかさっきまで美味しいモノくれるって人の家に行ってたっす。でも何も出てこないから帰ろうかと思ってた所だったっす。」
「スズ。知らない人について行っちゃダメだろ?世間の常識だぞ。」
こうして、スズ誘拐事件?は一瞬にして解決したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます