第131話 レベル50突破!!スズが急成長⁉

(一日1回の制限って実際使ってみるとかなり厳しいな。使いたいけど、使ったら丸一日使えないと思うと気軽に使えない。結果必要な時に使えないって感じだ。これって俺の性格が関係してるんだろうか?たしかにRPGとかしてて、買えないHPとMPを全回復するアイテムなんかは使わずずっと持ってたもんな。ラスボスの時にそのアイテムが30個もあって、こんなに貯めてどうするんだよって思った事があったっけ。毎日1回使ってれば、スキルが成長して距離や回数の制限が緩和されればいいんだけどな~・・・いや待てよ。魔法のスキルは俺の努力によって成長している。もしかして距離や回数も毎日使ってれば増えていくんじゃ?)


新たな神の奇跡Pが解放されてから、カイン達は黄亀ダンジョンへ通っていた。一週間の内4日間はダンジョンに通い、残り二日はジェーンやメアリーと共に休日を楽しむ生活だ。


ダンジョン攻略は順調に進んでいた。先日地下40階のボスを倒して、ようやく最下層の地下50階が見えてきた。ただ、戦闘は相変わらずカインとラックの二人がメインでスズはあまり力になれていなかった。火の息とともに新たに氷の息というスキルを覚えたが、飛距離はそこまで長くなく火をだすか氷を出すかの違いで、しかもそれ程威力も高くない。正直、カインとラックの二人で戦った方が戦闘のスピードが格段に速かった。


黄亀ダンジョンの地下40階のボスはスライムトリオ(上級)だった。何が違うかというと出てくるスライムの色が違ったのだ。地下10階、地下20階、地下30階で出てきたシンゴウキトリオのスライムの色は赤と青と黄色だ。それに対し、地下40階のスライムは、水色と緑色と茶色だった。なんの関係性が?と思ったが、それぞれの色に対応した魔法を使ってくるスライムだった。


未だに白いスライムとは出会っていないが、黄亀ダンジョンに出てくるスライムは剣を持っていたり槍をもっている武器を扱うスライムから、属性魔法を使うスライムなど、人と変わらない能力を持っていた。それを見る度にスズは気合を入れていた。


「ようやく地下40階まできたっす。さあ次は地下41階っす。いきましょうっす。」


スズの性格はとても前向きだった。普通なら貢献できない事に卑屈になってもよいのだが、スズはそう言った事が一切なかった。


「スズ。ちょっと休憩していこうぜ。」


「どうしたのにゃ?いつもならそんな事言わないにゃ?」


「実は地下40階のボスを倒して、魔石を取り込んだ後、すごく体が軽くなって力がみなぎってきたんです。今ならカイン様とラック様の力になると思ったっす。」


「おっ!?って事はレベルが上がったのかもな。ちょっとスズのステータスを見てみるぞ。」


カインは、スズを鑑定した。すると・・・


名前:スズ

年齢:1歳

種族:スペシャルスライム族

神の祝福:ゴッドノイヤシ


能力:C

成長率:S


レベル:50

体力:C

魔力:C

筋力:D

知力:C

敏捷力:D

耐久力:C

精神力:D

運:S


スキル:言語、火のブレス、氷のブレス、雷のブレス、癒しの波動、

    物理無効、状態異常無効、体内収納、暴食


「はっ?なんだこれ?スズ!?お前メチャクチャ能力が上がってるぞ。それにスキルの数も一気に増えてるぞ。」


「ホントかにゃ。アタシにも見せてほしいにゃ。」


「本当っすか?」


カインは、鑑定したステータスをラックとスズにも見せた。


「本当にゃ。さっきまでほとんど最弱ステータスだったのに、いつの間にか平均Cになってるにゃ。それに火の息が火のブレスに変わってるにゃ。後、雷のブレスとかかっこいいスキルもあるにゃ。」


「ああ。状態異常に物理無効までついてるぞ。癒しの波動っていうのはなんだ?」


「これはバフスキルみたいです。全ての能力が1.2倍になるみたいです。」


「えっ!?スズは自分のスキルの内容がわかるのか?」


「はい。なんとなくですが・・・ちなみに体内収納は、体内にアイテムなんかを収納できるみたいです。」


「すごいにゃ。」


(一気に強キャラに変わったな。体内収納は俺のアイテムボックスみたいなヤツか。スズに回復アイテムなんかを持たせたら一気にヒーラーになるな。それにバフスキルで支援もできる。ブレス系も息系と比べたらパワーアップしてるはずだ。めっちゃ攻撃の幅が広がりそうだな。どうする?これはこのまま地下50階を攻略できるか?さっきまで、俺の転移魔法の制限を解除したらにしようかと思ってたけど、悩むな。ラックとスズに相談して決めるか。)


「とりあえずここで休憩して今後の作戦を立てるか。」


ボスのいなくなったボス部屋で休憩しながら今後の行動を話し合った。


「スズが強くなったから、地下41階からはパーティで連携しながら魔物を倒して行こうと思う。ここまでは俺とラックでほとんど倒してたけど、攻略する事を考えると3人の力をうまく使わないと難しいと思う。」


「スズが物理無効を持ってるからタンクもやれるにゃ。」


「はいっす。タンクでも後衛からのブレスでもどんとこいっす。」


「とりあえずは色々試して行こう。それと奥の手で俺の転移魔法も使って行こうと思う。まあ一日に一回しか使えないけど、毎日戦闘で使ってたらもしかしたら制限が緩和される可能性もあるからな。それで地下50階を目指してみてやれると思ったらそのまま最下層ボスに挑む流れだ。最下層に行くまでに苦戦するようなら、俺の転移魔法の制限を解除してから最下層ボスに挑む感じだな。スズが戦えるなら魔石は売却して寄付の資金にしていく事もできるからな。」


(やっぱりスズは大器晩成型だったな。まさかレベル50で一気に上がるとは思わなかったけど、うれしい誤算だ。でも欲を言えばここで人化のスキルがあればもっとよかったけど・・・)


スズのレベルが50を突破した事で黄亀ダンジョンの完全攻略が見えてきた。カイン達はしばしの休憩をはさんだ後に地下41階へと降りて行くのだった。








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