第17話 神の奇跡G『美少女戦士君』
ギルドでゴブリンの耳を10個、森で採取した薬草を50束提出し、金貨4枚をもらったカイン。受付嬢のバニーに10個も持ってきた事を驚かれたが頑張った結果です。と言い切った。ゴブリンの処理について尋ねると、案の定、魔物が寄ってくるので埋めるか燃やすと言われた。
アイテムボックスが使える事は秘密なので、ちゃんと埋めてきましたよ。と嘘をついたカインだったが、放置せずに草原で燃やしたので問題はないだろう。
金貨4枚をポケットにいれて、目指すは本日のメインイベント、神へのお祈りだ。スキップしながら教会を目指し、寄付箱にポケットからとりだした金色に光る金貨を2枚入れた。
(女神様。今日は金貨3枚を寄付します。これで寄付の金額は70000ガル。64000ガルを突破したので、次の神の奇跡の解放よろしくお願いします。)
『寄付金額が64,000ガルを突破しました。神の奇跡Gが解放されます。』
(よしよし。だんだん神の奇跡の解放にかかる金額が大きくなってきたけど、この瞬間はたまらないな。早く家に帰って内容を確認したい。今日は飯屋によらずに屋台に晩御飯を済まそう。)
教会でのお祈りを終えると、一刻も早く、どんな神の奇跡か確認したかったカインは、いつもの飯屋にいかずに屋台で肉串を5本購入し、急いで家に戻った。洗濯や水浴びも後回しにして、肉串をほおばりながらカインはステータスを確認した。
名前:カイン
年齢:10歳
種族:人
神の祝福:アルファベット(寄付金額80000ガル)
※次回128000ガルで神の奇跡解放
神の奇跡:A『如月花院君』、B『名探偵君』、C『戦闘民族君』、D『未来の猫ロボット君』、E『世紀末覇者君』、F『動く城君』、G『美少女戦士君』
能力:D
成長率:SS
レベル:5
体力:D
魔力:D
筋力:D
知力:D
敏捷力:D
耐久力:E
精神力:D
運:D
次回の神の奇跡の解放の金額と、能力値の詳細をいちいちタップするのが面倒だと思っていたら、ステータス画面は見やすいように設定できるようで、最初に開いた画面で次回の金額と、レベルを表示できるように設定していた。
「美少女戦士?これまたハテナな神の奇跡だな。思い浮かぶのはセーラー服の戦士だよな。えっ!?もしかしてヒロインを貰えるのか?そうだよ。そうだよな~。一人より二人の方がより多く稼げるよな。それに美少女戦士・・・絶対綺麗な女性だ。神の奇跡なんだから俺の言う事何でも聞いてくれるよな?これはもうハーレムルートに入ったって思っていいよな。」
詳細をタップしたら内容はすぐにわかるのだが、こうやって現れた項目から内容を妄想するのは、カインの楽しみの一つだった。
ひとしきり自分に都合の良い妄想をした後、詳細を確認するべく、神の奇跡Gをタップした。
G『美少女戦士君』
月に代わってお仕置きっていうのがよくわからないが、決めポーズとともにセーラー服の戦士へと変身するのはカッコイイよね。真似した人も多いはず。だけど、美少女戦士とともに、黒猫と白猫もいい味出してるよね。だってしゃべるんだよ。ありえないよね。要は黒猫が仲間になります。
「・・・」
カインは言葉を失った。予想の斜め上を行くモノだったからだ。
「黒猫・・・」
「アタシの事を呼んだかにゃ。」
「!?」
誰もいないはずのカインの家で、カイン以外の声が聞こえた。カインは座っていた椅子から立ち上がり周りを見回した。すると、
「黒猫・・・」
「カインに召喚されてこの世界に来たにゃ。これからよろしくにゃ。」
カインの目の前には、黒い猫がいた。そう某アニメ、セーラー服を着た5人の美少女が妖魔と戦うアニメに出てくる黒猫だ。額に月のマークはないがそっくりだった。
「よ、よろしく・・・でいいのか?」
(黒猫が仲間になった・・・たしかに仲間は欲しいと思ってたけど、これは予想外すぎるだろ?いやここは異世界。しかもこの黒猫はしゃべってる。もしかして人型にもなれるのか?月が出てるときだけ人間になる猫もいたような気がするが・・・)
「いいにゃ。早速だけどアタシに名前を付けてほしいにゃ。ありきたりなルナはダメにゃ。可愛らしい名前がいいにゃ。」
「そうだな・・・」
(黒猫と言えばクロか・・・それともジジ?う~んペットなんか飼った事ないし、俺は結婚もしてなかったから子供に名前を付けた事もない。クロじゃありきたりだからクロコは?いやないな・・・猫・・・ニャーコ・・・いやダメか。黒・・・ブラック・・・ラックとかはどうだろう。うんなかなかな気がする。)
「ラック・・・はどうだろうか?」
「にゃかにゃか洒落た名前だにゃ。気に入ったにゃ。アタシは今からラックにゃ。カインよろしくにゃ。」
「ああ。よろしくな。よかったら肉串食うか?猫ならやっぱりミルクか?わるいけどミルクは今無いんだよな~。」
「肉串で全然いいにゃ。カインありがとうにゃ。」
新しい神の奇跡は、チートなんかどうかもわからないモノだった。だがこの世界に転生してから、一人でずっと生活していたカインにとって、話ができる相手ができた事はうれしい出来事だった。
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