第16話 初めての動画投稿
あの後皆んなで話し合い、「初めての動画だしこれくらいインパクトのある内容でもそれはそれで良いか!」と、キラ先輩が白目で動画投稿にOKを出した。
それから放課後の部活時間はチャンネルの作成に時間を使い、ホタルのアカウントから動画を投稿する事となった。
「……では、投稿しますね」
「うん」
ホタルが投稿ボタンを押すのを、三人で見守る。彼女も緊張しているのか、深呼吸をしてから勢いよく画面をタップした。
画面には『このアカウントで初めて動画を投稿しました!』とお祝いスタンプと共に表示されている。
「うわ懐かしいな」
「そういや出てたな」
「動画投稿しましたけど、後はどうするんですか?」
「しばらくは週一とかで動画を投稿して、そうだな、何か大きなイベントがありそうって時に相談してくれ。その時に満を辞して初配信だ」
「「はい」」
二人で顔を見合わし、今はこの動画が伸びてくれる事を願おう。上手くいって1万再生とか行ってくれたら嬉しいな〜
…………
………
……
結論から言うと大バズりした。再生回数は一日で10万を超え、今なお増え続けている。
「おいハルちゃんちょっと来い」
「なに?」
「これお前だよな?」
ヤッさんは俺たちの動画を指さして小声で話してくる。ドーンと言うプレイヤー名は小学生の頃から使っているので、それでバレたのだろう。
「うん」
「いやっ、まっ、色々言いたいことがある」
「なに?」
「ここどこ?」
「それは俺が知りたい」
…………
………
……
「動画良い感じだな!」
バーチャル部室ではキラ先輩が机の上にのぼり、喜びの舞を踊っていた。クマちゃん先生が注意するのかと思っていたが、多分もう諦めてるんだな、あの感じ。
クマちゃん先生は動画のコメントを確認してくれているようだ。
「お、ドーン。動画好評だぞ」
コメントを見ると、困惑がやっぱり多いけど、批判的なコメントは一切見かけない。単純にコメントが多すぎて目に入らないだけかもしれないけど。
「こんにちは」
「ホタルちゃん動画凄いぞ!」
「ええ、そうみたいですね。良かったです」
コメントには、
『最初から「は?」しか声が出なかった』
『ワールドアナウンスの正体これか!』
『えーっと、ツッコミたい事が多すぎるんだけどこれコラ動画じゃないよね?』
『スキルとかステータスが正真正銘R2Oって証明してて笑う』
『ドーン氏何者??』
とあり楽しんでもらえたようだ。
【ホタルのチャンネル】も登録者が2,000人と伸び方がえげつない。
「次は来週に動画を出そうか。次も面白いの頼むぞ!」
「もう出来てますよ」
「「「ええ?」」」
三人で驚いた後、キラ先輩が手のひらを叩いた。唐突に何かを思いついたような感じでホタルの肩に手を置く。
「バーチャルライバーなろっか」
「へ?」
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