第6話 高校生活も大事に
入学式が終わり、各クラスの教室に入る。同じ教室には親友のヤッさんと、中学からの同級生である円香(俺たちはマドちゃんと呼んでいる)が話していた。
「おっす」
「ヤッさんとマドちゃんまた同じクラスか」
「中学からずっと一緒だね〜」
マドちゃんは相変わらずふわふわしている。中学時代にヤッさんと同じ委員会だった事から仲良くなったのだが、その頃からこんな感じだ。
「これからもよろしくね」
「よろしく〜」
「お、新入生代表俺たちのクラスじゃん」
ヤッさんが教室のドアを見ながら言うので見てみると、そこには入学式で新入生代表として舞台に立っていた生徒がいた。
「名前なんだっけ」
「蛍井さんだよ〜。凄い美人だよね〜」
マドちゃんはニコニコしながらそう言うが、俺も美人だと思う。大和撫子って感じ。
「ほら席につけ〜」
先生が教壇に立つと、生徒たちが自分の席に戻り始める。
「んじゃまたな」
…………
………
……
「柊木春馬です。好きなラジオ体操は深呼吸ですよろしく」
拍手と小さな笑い声がする。ほらな、夏樹、受けただろ?
ホームルームは自己紹介フェイズに移行し、次は後ろの席の蛍井さんの番だ。
「蛍井秋葉です。よろしくお願いします」
え、それだけ……?
なんとも寂しい自己紹介だが、クールな感じが伝わってきてこれはこれで自己紹介が成功しているのか…?
その後生徒全員が自己紹介を終え、帰宅するのみとなった。
「明日の持ち物はプリントに書いてあるからな。あと、うちの高校は部活強制参加、どこに所属したいか考えとけよ」
ホームルームが終わり、生徒が一斉に席を立つ。
「ヤッさんは陸上部だろ?」
「まあな」
「マドちゃんは吹部つづけんの?」
「ん〜、色々見ようかな〜」
「陸部のマネージャー来いよ」
「やだ〜」
ヤッさん、ドンマイ。かく言う俺も特に入りたい部活無いし部活勧誘期間に色々見て回ろう。
この私立青陽高校は全校生徒1000人弱で校舎も割りかし大きい。色んな部活があるって話だし、とことん悩もう。そう、R2Oでスタート地点を選ぼうとした時みたいに……
「今日どっか寄り道してく?」
「いや、 R2Oやるわ」
「ゲームやるの〜?」
「最近ハマってるんだとよ。俺もやってるしマドちゃんもやろうよ」
「やり方教えてね〜。でも、高校生活も大事だよ〜」
ふわふわマドちゃんは中学の頃から変わらない可愛さがあるなぁ。
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