第2話 再開してもツンデレちゃん
それは、台風が来た日。なんの予兆もなく、来た。
『すごい雨だな。めっちゃ濡れた、、、』
いつも通り、今日の夕飯何にしようかなとか考えながら、ドアを開けたはずだった。
「ねぇ、、、あ、、た、、レシ?」
寂しそうなその声と同時に姿が見えた。人に見える何か(人であると信じたい)は、自分が実際にこの世にいるように、床をきしませた。
『え?』
「ねぇ、、、あなた、、、レシ?」
「ねえ、、、あなた、彼氏?ねぇ、あなた、彼氏?」
俺が彼氏?
彼女、、、1年前に、亡くなった彼女、、、?目の前には、1年前に亡くなった彼女(自称)がいた。髪を伸ばし、下を向いているせいで、顔が見えない。声からは、少し美緒に似ているような、、、
でも、、、確信は持てない。
『美緒、、、?』
怖いのは、確かだったが、声が美緒に似ていたということもあり、気づいたら受け入れることを選んでいた。もう一回言う。怖かったが、聞いてみたんだ。
また、会えたらと長く願った、彼女に、美緒に、会えるならと思った。
ー少しでも可能性があるなら
「・・・」
返事がない。もう一度聞いてみる。
『美緒なのか、、!?』
「透里!!」
嬉しそうに俺の名前を呼んだ、美緒(まだ信じ切れていない)は、俺の知っている美緒と重なった。
「ただいま!」
『おかえり!!』
「まぁ、あんたのために帰ってきたわけじゃないけど!」
『一言が余計だ、、、』
また、「当たり前」だった日常が戻ってくると実感したような気がした。彼女が幽霊なんて、家族にすら言えないけど、俺は、今がとてもとても嬉しい。
――あとがき――
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