第12章 SSS事件~幕引~

会議室を出た春輝は、特命係の部屋に戻り…夏輝が戻ってくるのを待っていた。


約2時間後…夏輝が戻ってきて、特命係の今後の立ち振舞いを春輝が夏輝に説明してる時だった…内線で連絡が入ったのだった。

その相手は、天利主席監察官からだった。


天利「君達を呼んだ理由は、特務の為だ」

春輝「特務?」

春輝が首を傾げて聞くと、天利は説明をし始めた。


天利「君達の直属の上司である天川氏から、君達を少しの間預けると言われたので…暫く私の指示で動いて貰うことになるよ」

春輝「は?」

夏輝「え?」

天利「2人とも不服そうだね」

春輝「そりゃ、そうでしょ!」

天利「春輝君、話はまだ続きがあるんだよ」

春輝「え?」

天利「僕の下について貰うことになるのはなるのだがね…直属って訳じゃない」

春輝「ん?」

天利「僕は、そもそも君達が組織に居るのが目障りだし、反対派の人間だ」

夏輝「俺らが居なかったら、解決しなかった事件もあるだろ!」

春輝「夏輝…やめとけ」

天利「確かに夏輝君の言う通りだ。だから、あくまでも直属は天川氏だが、今回の一件で柳君も含め長期の休暇に入る事になる…だからその期間中だけ指揮統括を任せられた訳だ」

春輝「そういう事ですか」

天利「僕は君達が使えるとは思ってないが、特務を天川氏から受けてる以上それも伝えないといけないからね」

春輝「ありがとうございます」

天利「貸しだからね」

夏輝が物凄い顔で天利を睨み付けてる中、天利が続けて喋った。

天利「天川氏から預かった特務は、次週から配信サイトのパトロールもやってくれとのことだ」

春輝「え?それだけ?」

天利「あぁ。それだけだが?」

夏輝「え?春輝…やってるよね?」

春輝「配信部特命係て聞いた時から、やっては居ますよ?」

天利「そうか…なら引き続きパトロール宜しく頼む」

春輝「そうやって、パトロールを依頼するって事は、何かネットで事件が起こるかもって事ですね?」

天利「さぁ~私もそれは聞いてない」

春輝「そうですか…」

夏輝「もう下がっていいですか?」

天利「構わない」


そうやって、また不穏な事に捲き込まれそうな嫌な感じを春輝と夏輝は肌で感じながらも…今この目の前の事件の真相は闇の中に葬りさられ幕を閉じるのであった。

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