第11章 SSS事件 ~飛び交う議論と隠されていた真実~

春輝は錚々たる面子を相手に毅然と振る舞っていた。

主席監察官の【天利あまり 岳人がくと】氏は、天川氏を見ながら、こう呟いた…

天利「天川さん、特命係はあなたの直属ですよね?」

天川「あぁ、私の直属という事にして貰ってるな」

天利「天川さんの指揮で動いて、うちの職員がなくなった…それはこの人物達に責任がないとは言いきれませんよ?」

天川「何が言いたいんだ?」

天利「つまり、組織ごとなくすのはどうでしょう?」

天川「君は、うちの部署が嫌いなんだね」

天利「えぇ」

天川「では、私と柳で責任を取る…後の事はそちらさんに任せる。こいつらをどうか使ってやってくださいな」

天利「へぇ~公安調査庁も物凄く低姿勢になったもんだ」

天川「春輝構わないな?」

春輝「俺は、あんたが今回の事を仕組んでなければ、別に退く必要はないとは思う」

天川「それだから、真相に辿り着けないんだ!」

春輝「どういう事ですか!」

そうヒートアップし始めたときに、天利主席監察官が口を挟んだ。

天利「春輝君…君はもう下がっていい」

天川「………」

春輝「こんな形で終わらせないから!」

天利「春輝君、君には次から僕の下について貰うよ」

春輝「断ります」

天川「おい!!」

春輝「まだ、うちの直属の上司は辞めてないので」

天利「ほう」

天川「春輝…お前…」

春輝「このような形であなたが終わるのは嫌なので、出来れば僕が引導を渡したいので…」


そうやって春輝は会議室を後にしたのであった。


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