第344話 御后様達への当てつけ (2)

 だから僕はシルフィーの奴に「そんなに怒るなって」と、苦笑いを浮かべつつ告げる。


『ガブリ!』


 まあ、こうなるよね。この世界……と、言うか? ウィングルと呼ばれる国や、この辺りの領地や集落のほとんどが女尊男卑思想の女帝や女性シャーマンを崇め、敬い、奉る習慣があるから僕は直ぐに、拗ねるあいつの華奢な腰に腕を回し、自身の方へと寄せると、シルフィーの奴に噛みつかれた。


 まあ、これは、これで仕方が無いことだと、僕は思いつつ、フォンジのおじさんへと視線を変える。


 でもみなさんは何故、僕の妃達がこんなにも不満……。不貞腐れた態度や悪態をついているのか、わからないと思うから。僕は少しばかり説明をするね。


 う~ん、実はね? 先ほどの話の終わりの続きなのだが。僕がフォンジのおじさんへと声をかければ彼は「えっ! 陛下、何でしょうか?」と首を傾げた。


 だから僕は彼に、「フォンジさんには娘がいたよね?」と尋ね。



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