第345話 御后様達への当てつけ (3)

「はい、居ますが何か?」と。


 フォンジのおじさんは、更に『何か?』と、わかっている! 気がついている癖に! 彼は素知らぬ振りをして、首を傾げるから。


 僕はフォンジのおじさんの様子を窺いつつ、自身の脳内で(もう、このおじさんは、僕が何を要求しているのか、わかっている癖に。いけず~)と、苦笑いを浮かべつつ思い。


「僕の城へと人質として出してくれるかな?」と。


「それでフォンジ、君の誠意……。僕への忠誠心を見ようと思う」と告げる。


「えっ!」


 僕の問いかけに対してフォンジのおじさんは、最初驚嘆を漏らす。すると彼の驚嘆に呼応するかのように。


「えぇ、えええっ!」と絶叫が多々木霊すれば。


「嘘でしょ~?」


「何を考えているの、健太は~?」


「健太は、もういい加減にしてよね~?」


「あなた~。未だ嫁が足りない訳~? こんなにもいるのに~?」と。


 まあ、この後も、僕への不満、悪態と言う奴が怒声、罵声と共に降り注がれ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る