第268話 追撃戦! (1)
「あっ! 男王、見えたぞぉ!」
「だね」と。
僕はオークの戦士、ウォルトの言葉を聞き、呟けば。
「よかったよ。何とか、敗走する敵に追いついた」と。
僕はホッ! と胸を撫で降ろすから。
「ウォルトの騎馬隊は、僕の戦車隊と一緒に敵の後方。敗走する兵を殲滅……。投降する兵は助けるように」と指示をだせば。
「はいよ!」と。
ウォルトの明るい声……。
そう、先ほどから、エリエやウォン、ルイジ達──。
自分の一族……。
そう、身内衆でもある三人に対してライバル視をしていたウォルトだから。
先鋒隊の大活躍を聞き、居ても立っても居られないほど。
イライラ、落ち着きのない様子を僕達に見せていた彼……。
そう、従兄妹に後れをとったから、自分は気に入らない。
だから僕に早く、自分にも出番を! 活躍の場が欲しい!
だから敗走する敵の後方を遊撃させてくれと。
僕に何度も直訴! 嘆願をしていたウォルトだから。
僕の指示を聞き。
「皆~、いくぞぉおおおっ!」と。
まあ、彼は威勢よく、嬉しそうに、自身の持つ矛を天に掲げつつ、自分の臣下! 兵達──!
そう、僕が新規に編成をした騎馬隊を率いて、自分達に背を向け走る! 逃走する!
敵の歩兵部隊へとミュイの騎兵隊で。
ドーン!
ドーン!
と、の銅鑼隊の音──!
突撃を指示する音と共に猪突猛進──!
突撃を決行するから。
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