第267話 敵はどうだった? (3)

「エリエ殿達は上手くやっていたから。俺は、士気の方は未だ高いように見えたし、怪我人の方もほとんどいないようにも見えたけれど」と。


 ゲンが僕に告げれば。


「殿~! あの嫁さん達や殿の義理の兄さんだっけぇ~? マジですげえなぁ~」


「ああ、凄かった」


「前の三人ぐらいが、隊列の前方に立ち塞がる敵兵達のほとんどを、戟を振るい、殴り、切り、殺していたから。敵兵達が混乱を起こし。敵の士気は完全に下がり。敵の将達の伝達の方も、兵達に伝わらなくなっている程混乱を生じていたから。俺はエリエ殿達が、敵大将の首をそのままあげるために突撃を決行するのではないか? と思うくらい。エリエ殿達の隊は士気が高いのと。敵は混乱している」と。


 ゲンが再度僕にエリエ達の様子を教えてくれれば。


「うん、ゲンの言う通り」


「あんちゃんの言う通りだと思う。うちも望遠鏡で、皆の様子を窺っていたけれど」と。


 ゲンの僕への説明の方は間違えないと。


 彼以外に、エリエ率いる先鋒隊の様子を物見していた者達が、僕に間違えないと告げてくれた。


 だから僕は「そうか!」、「わかった!」


 そして「ありがとう」と三人にお礼を告げると。


 僕は新たな指示を出すために、自身の口を開く。



 ◇◇◇



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