第269話 追撃戦! (2)
ドーン!
と、敵の敗走する兵達の中から大変に鈍い音──打撃音が鳴り響けば。
「うぎゃぁあああっ!」
「ぎゃぁあああっ!」
断末魔と絶叫が響き渡る、殺伐とした状態へと。
僕の前方──!
目の先がね、移り変わり、刹那した状態へと変わるから。
「戦車隊も突撃ー! ウォルトの隊を支援するように」と。
僕が指示をだせば。
運転手を含めた四人乗りの黒光りがしている、ミュイ二頭に引かす戦車──!
搭乗している兵は!
運転手一人に、戟を持つ者が二人に弩を持つ者が一人と言った、古代的な戦車隊が。
ウォルトの隊が広げてくれた道──。
混乱している敵兵の波の中へと突撃を決行し始めるから。
敵の敗残兵達は更に混乱! 刹那状態へと移り変わり。
「うぎゃぁあああっ!」
「ぎゃぁ、あああっ!」
「ひぃー!」
「助けてくれぇー!」等。
その他にも多々、敵兵達の悲惨な声が僕の耳へと聞こえ。
悲惨な容姿は、僕の瞳に映るけれど。
僕自身はもう、日本で暮らしていた頃の自分ではないから。
敵兵達の悲惨な様子を見て、聞きしても可哀想だなと情が入ることはないから。
「シルベ、頼みがある」と。
僕はまたアイカが夫の武勲のためにと用意をしてくれた身内衆へと声をかける。
◇◇◇
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