第235話 殴られました(6)

 僕はシルフィーの頭を優しく撫でながら。


『苦労をかけるね』と告げ。


『父さんと母さんのこともお願いね』と嘆願をすれば。


『うん。わかっているわ。陛下……』と。


 シルフィーは直ぐに答えてくれたから。


 もう、こいつのことを苛めるのはよそうと思うのだけれど。


 う~ん、何故か、僕は、一番気を遣わないですむ妻は、シルフィーなんだよね。


 だから僕が気に入らないことがあれば、あいつに八つ当たりをしているところをみると。


 やはり僕のヒロインさまは。


 今僕と夫婦喧嘩──!


 魔法弾を一年以上もご無沙汰で、消息不明だった夫……。


 僕に対して「死ね! 死ね! 死んでしまえ!」と。


 相変わらず、僕の子だろうと思われる赤ん坊を抱きつつ悪態をつき、打ち込んでくるプラウムや。


 先ほど僕の頬をおもいっきり打った! サラや!


 この場にはいないが、集落の神殿で相変わらず反省をしているらしいアイカや。


 僕とプラウムの夫婦喧嘩を呆然と見ているフェイン……。

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