第233話 殴られました(4)

 だから僕はカッ! となり憤怒したよ!


 あいつ、シルフィーの髪を僕は鷲掴み! 


『シルフィー! お前、いい加減にしろ!』と怒声を吐き。


『僕はお前が仕掛けた策のために聞きたくもない妻の台詞や喘ぎ声……。それも一人じゃないし。一度や二度じゃないんだぞ! 僕が女性不審に落ちるぐらい聞かされているんだぞ! わかるか、シルフィー!』と。


 僕は自身の長い髪を引っ張られ、悲痛な顔をしているシルフィーへと睨みつけながら罵声を吐いた。


 でもさ、あいつは、僕の呻り、吠えを聞かされても直ぐに。


 ヘラヘラと笑いだし。


『だから、どうしたと言うの、陛下?』と。


 あいつは僕に告げると。


『陛下、あなたは、アイカさんやフェインさんの物じゃないのよ。朕の物で。朕が意図的に……。そう、あなたの幼い頃からの夢……。勇者、英雄王に成りたい夢を叶えるために。この世界に召喚をしたのよ。だから陛下は勘違いをしないでくれる。あなたは朕の物で、他の女性達の物ではないの。だから朕意外の者に情を移し、入れ込んでもらっては困るの、陛下わかった?』と。


 シルフィーは僕に対して、言葉の最後には女神の笑みではなく。


 嫉妬に狂った女性……。


 魔王の笑みを浮かべつつ告げてきたから。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る